クリスタル映像

クリスタル映像株式会社は、日本のアダルトビデオ(AV)メーカーであり、その歴史は日本のAV業界の変遷と深く関わっています。本社は東京都豊島区西池袋に所在しています。

創業と村西とおるの時代



クリスタル映像は、1984年10月に西村忠治によって設立されました。設立当初、西村はビニ本出版社「アド企画」やAVメーカー「三和プロモーション」を経営していました。制作監督には、かつて裏本チェーン「北大神田書店グループ」を率いていた草野博美を迎えました。草野は西村の処遇に恩義を感じ、創業と共に「村西とおる」と改名しました。クリスタル映像の第一回リリース作品は「私、犯されました。新幹線の中で…絵梨花20歳」でした。

創業初期は、他社メーカーに比べて作品の水準や売れ行きで後塵を拝していましたが、1985年にドキュメンタリー風の本番路線に転換したことで状況は大きく変化しました。ソフトな絡みが主流だった当時、クリスタル映像は「完全本番主義」を打ち出し、顔面射精を「顔面シャワー」と称して作品に取り入れたことで、注目を集め、業績を大きく伸ばしました。

1986年6月、村西とおるは無許可のモデル事務所から17歳のモデルを派遣させたとして逮捕されましたが、この事件が逆に「クリスタル映像は過激である」という認知度を高める結果となりました。同年10月には、黒木香の出演作品『SMぽいの好き』がリリースされ、大きな話題を呼びました。黒木香の知的な雰囲気と村西の過激な演出のギャップが多くの文化人からも絶賛され、村西はメディアに引っ張りだこになりました。これにより、「村西とおるが所属するビデオ会社」として、クリスタル映像の名は一般にも広く知られるようになりました。

村西とおるの独立とクリスタル映像の転換



1988年、村西とおるが自身のAV会社であるダイヤモンド映像を設立し独立したことで、クリスタル映像の蜜月時代は終焉を迎えました。村西を失ったクリスタル映像は、制作活動を停止したWAKOの制作陣を迎え、新たなブランドイメージ確立を目指しましたが、決定的なヒット作に恵まれず、業績は低迷しました。


飯島愛の登場と業績回復



この窮地を救ったのが、1992年から1993年にかけて活躍したAV女優の飯島愛でした。人気絶頂期の飯島愛のレンタルAV作品の約半数をクリスタル映像が制作したことで、同社の業績は回復しました。当時の社長である西村も、飯島愛が同社の生命線となっていたことを認めています。

その後の展開



1990年代中盤以降は、青沼ちあさ、涼木もも香、森村ハニー、加護あいり、青山菜々といった各年代の人気女優をキャスティングし、単体作品で堅実なリリースを続けました。また、企画ものジャンルにおいても、『FUCK FUCK FUCK』シリーズや『スーパーGスポット』シリーズなど、多くの人気シリーズを生み出してきました。近年では、インターネットにおけるブロードバンド配信にも積極的に取り組んでいます。

2005年には、創業以来加入していたビデ倫を脱退し、日本映像ソフト制作・販売倫理機構(制販倫)を自ら立ち上げ、業界に衝撃を与えました。制販倫の設立当初は他加盟メーカーはいませんでしたが、後にケイ・エム・プロデュース(KMP)などが加盟しています。

関連会社として、有限会社シー・ツー・コーポレーション(旧コンフィデンス)が存在します。過去には海外ポルノを扱うハリウッド・ホームビデオ・ジャパンもありました。

主要レーベル



クリスタル映像は、複数のレーベルを抱えており、それぞれに特色があります。

  • - クリスタル映像/スーパークリスタル1984年~):メインレーベル
  • - メシア(MESSIAH)(1991年~1998年)
  • - ヴィーナス(Venus)(1997年~)
  • - マニアック(MANIAC)1990年~)
  • - エルメス(HERMES)(1993年~)
  • - マダムマニアック(MADAM MANIAC)(1998年~)


コンフィデンス/シー・ツー・コーポレーション
  • - コンフィデンス(Confidence)1988年1990年
  • - グレートコンフィデンス(GREAT CONFIDENCE)(1991年~1992年
  • - コンフィデンス(Confidence)(新)(1993年~1994年)
  • - セシル(Cecile)(1994年)
  • - クィーン(QUEEN)(1994年~1999年)
  • - ソフィア(SOPHIA)(1994年~1995年)
  • - ピュア(PURE)(1995年~)
  • - タッチ(Touch)(1997年~1999年)
  • - グレイス(GRACE)(1999年~)
  • - ファン(Fan)(1999年~)


主な出演女優



クリスタル映像には、数多くの人気女優が所属していました。以下に五十音順で一部を掲載します。

相沢桃、相田すみれ、愛原理彩、蒼月りこ、青山菜々、青山ゆい、紅りんご、紅月ルナ、朝倉海音、朝比奈ゆい、麻生まりも、@YOU、彩名杏子、石川鈴華、いずみ彩、大空あすか、小川奈美、小川音子、小澤マリア、薫桜子、川峰さくら、黒沢愛、きこうでんみさ、北川美果、喜多村麻衣、君嶋さやか、小泉麻由、小坂めぐる、小阪れおん、後藤聖子、KOMACHI、小町ななみ、小峰ひなた、斉藤ここみ、冴木麗美、佐伯奈々、酒井るんな、咲あいら、桜井彩美、桜木心愛、さくらひめこ、佐倉もなみ、真田春香、さやか、白石みく、白雪彩、瀬奈梨花、月野りさ、仲井美帆、中野千夏、七瀬かすみ、新山愛里、西田美沙、野乃はなの、羽田夕夏、早坂ひとみ、春菜まい、妃乃ひかり、平井綾、藤沢美歩、星ありす、星川ヒカル、星咲愛理、ほしのまき、星野流宇、真樹さくら、真崎あむ、マリア・ディゾン、水原あき、美月あんな、宮崎優香、望月なな、持田薫、ももこみゆ、森永みか、森村ハニー、八乙女かのん、安原真美、有希りか、雪乃まひる、夢見あい、RiRi、れのん、若草よつは、若林めぐ

クリスタル映像関連の主な事件



クリスタル映像は、その活動の中でいくつかの事件に関わっています。


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