クルーザー級

クルーザー級について

クルーザー級（英：cruiserweight）は、ボクシングやその他の格闘技において使用される重量階級の一つです。この階級名は「巡洋艦」を意味しますが、それは選手の体重によって決まります。プロボクシングの契約ウェートでは、クルーザー級は175ポンドから200ポンド（約79.4kgから90.7kg）に設定されており、全17階級の中で2番目に重い階級とされています。この制度は1980年に設立され、最初の上限は190ポンド（約86.2kg）でしたが、後に現在の範囲に改められました。

クルーザー級は、主要なプロボクシング団体であるWBA（世界ボクシング協会）、WBC（世界ボクシング評議会）、およびIBF（国際ボクシング連盟）によってクルーザー級と呼ばれます。しかし、WBO（世界ボクシング機構）ではこの階級をジュニアヘビー級と称し、明確な統一はされていません。また、女子のプロボクシングも同様にWBOでジュニアヘビー級として契約ウェートを設定していますが、WBA、WBC、IBFではこの階級を設置していません。特にWBCは168ポンド（約76.2kg）以上をヘビー級と定義しています。

アマチュアボクシングでは、男子のクルーザー級は80kgから96kgに設定されていますが、女子のクルーザー級は存在しません。

この階級に関しては、初代の世界王者としてWBCがアメリカのマービン・カメル、WBAがプエルトリコのオジー・オカシオを認定しました。クルーザー級における世界王座防衛記録は、英国のジョニー・ネルソンとドイツのマルコ・フックが保持する13度です。さらに、ウクライナのオレクサンドル・ウシクはこの階級で主要4団体王座を統一した4人目の選手です。

日本では西島洋介と高橋良輔がOPBF（東洋太平洋ボクシング連盟）のクルーザー級王座を獲得し、西島はJBC非公認のWBF世界クルーザー級王座も手にしています。また、西澤ヨシノリもJBC非公認でWPBF世界クルーザー級王座を獲得しました。

カザフスタンのベイブット・シュメノフはWBAの世界クルーザー級王座を獲得し、黄色人種としてはこの重い階級の4大団体の王者となっています。

さて、総合格闘技（MMA）においては、クルーザー級の契約ウェートは205ポンドから225ポンド（約93.0kgから102.1kg）に設定されており、全14階級中で3番目に重い階級となります。ただし、UFC（アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ）などの主要な団体はこの階級を設けていません。特に「King of the Cage」では104.3kg（230ポンド）を契約としています。

キックボクシングにおいて、ISKAでは88.5kg（194ポンド）と定義しており、K-1では90.0kgに設定されています。ムエタイの契約ウェートは182ポンドから190ポンド（約82.6kgから86.2kg）で、こちらもスーパーライトヘビー級とヘビー級の間に位置しています。

なお、プロレスでは一般的に100kg未満（約220ポンド）をジュニアヘビー級と呼ぶことが多く、アメリカではクルーザー級やミッドヘビー級という名称も使われています。

このように、クルーザー級はさまざまな格闘技の中で重要な位置を占めていますが、各団体における呼び名やウェート設定には違いがあります。

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