グローイン

グローインは、第三紀2783年から第四紀15年まで生きたドワーフであり、『ホビットの冒険』と『指輪物語』に登場する重要なキャラクターです。彼はエレボール遠征に参加した13人のドワーフの一人であり、映画『ホビット』ではピーター・ハンブルトンが演じました。

グローインはオインの弟であり、彼の息子は『指輪物語』で指輪の仲間の一員となるギムリです。彼は兄と同様に火熾しの名人で、白い頭巾を被っていました。五軍の合戦後、彼はエレボールに留まり、冥王サウロンの動きを察知したダインII世の要請により、息子ギムリと共に事態を知らせるために裂け谷へ向かい、エルロンドの会議に出席しました。

映画『ホビット』三部作では、ピーター・ハンブルトンがグローインを演じました。彼の衣装は、映画『ロード・オブ・ザ・リング』に登場する息子ギムリの衣装を彷彿とさせるデザインであり、頭髪も息子と同じく赤茶色でした。彼は怒りっぽく気難しい性格として描かれ、エルフに対して警戒心を抱いていました。一行の中では原作通り火熾しを任され、経費管理も担当していたため、金銭に関しては一行の中で最も厳しい人物でした。

グローインは、後にギムリが受け継ぎ使用する斧を武器として所持していました。また、五軍の戦いの開戦前に武装を固めた際には、同じく後にギムリが受け継ぎ装備する兜を被っていました。

映画の中では、エルフの領地に無断で侵入したトーリン一行が、レゴラスらエルフに捕らえられて所持品検査を受ける場面があります。その際、グローインがお守りとして所持していた妻子の肖像画をレゴラスが見て「この醜いのはゴブリンの子か？」と息子を侮辱しました。しかし、この息子こそが、後に『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでの旅を通じて、レゴラスの無二の戦友となるギムリなのです。このシーンは、後の物語における二人の関係性を暗示する重要な場面と言えるでしょう。

映画『ロード・オブ・ザ・リング』では、グローインは原作と同様に、息子ギムリと共に裂け谷でのエルロンドの会議に種族の代表の一人として出席しました。ただし、本作では彼は脇役として扱われ、個人の台詞はありません。そのため、エンドロールでも演者の名前は確認できませんが、一部の関連書籍では彼の写真がグローインの名前付きで紹介されています。

グローインは、その生涯を通してエレボールの再建とドワーフ族の繁栄に貢献しました。また、彼の息子であるギムリは、後の時代において指輪の仲間として活躍し、中つ国の命運を左右する重要な役割を果たしました。グローインの存在は、ドワーフ族の歴史において重要な位置を占めており、彼の遺産はギムリを通して後世に受け継がれていったと言えるでしょう。

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