ケイエスミラクル

ケイエスミラクル (K.S.Miracle) の生涯

ケイエスミラクルは、1988年3月16日に生まれ、1991年12月15日に短い生涯を終えた競走馬です。1990年代初頭に、そのスピードで人々を魅了しました。主にスプリンターとして活躍し、1991年のスワンステークスではレコードを記録し優勝しました。

生い立ちとデビューまで

父スタッツブラックホークは、アメリカで3勝を挙げたものの、特筆すべき実績はありませんでした。ケイエスミラクルは3歳の秋に日本へやってきます。しかし、入厩後、獣医が覚悟を促すほどの高熱を発し、生死の境をさまようことになります。奇跡的に回復し、競走馬としての道を歩み始めました。

4歳 (1991年)

デビューから重賞制覇

4歳の春、新潟競馬場の芝1600mでデビュー。初戦は2着に終わりますが、続く未勝利戦で8馬身差をつける圧勝で初勝利を飾ります。その後、わらび賞(500万下)で2着となり、休養に入りました。

夏の札幌開催で復帰すると、石狩特別(500万下)をレコード勝ち。続く藻岩山特別(900万下)では、9馬身差をつける圧勝を見せます。秋には初の重賞となるセントウルステークスに挑戦しますが、13着と大敗。しかし、続くオパールステークスをレコード勝ちし、スワンステークスへ駒を進めます。

スワンステークス

スワンステークスでは、ダイイチルビー、ダイタクヘリオス、バンブーメモリーといった強豪が揃う中、5番人気に支持されました。レースでは、ダイイチルビーをクビ差で抑え込み、見事重賞初制覇。この時、1分20秒6の日本レコードを樹立しました。

マイルチャンピオンシップ

続くマイルチャンピオンシップでは、ダイタクヘリオスの逃げを捉えきれず、3着に敗れます。

突然の悲劇

ケイエスミラクルは、元々体質が強くありませんでした。夏からレースに出走し続けたため、本来はマイルチャンピオンシップ後に休養する予定でしたが、スプリンターズステークスに出走することになります。

主戦騎手だった南井克巳は、同日に阪神牝馬特別でフェイムオブラスに騎乗するため、岡部幸雄が代打として騎乗することになりました。

レースでは1番人気に支持されます。しかし、前半3ハロンを32秒2というハイペースで進む中、道中中団に位置していたケイエスミラクルは、第4コーナーを曲がり、最後の直線で先頭集団に取り付こうとした際、突然故障し競走を中止。診断の結果、左第一趾骨粉砕骨折と判明し、予後不良と診断され、安楽死の措置がとられました。デビューからわずか8ヶ月後の出来事でした。

調教師の高橋は、もしスプリンターズステークスを勝利していれば、翌年にはブリーダーズカップへの挑戦をオーナーと計画していたと語っています。

血統

父：スタッツブラックホーク

母：ケイエスフローラ

母父：ディクタス

ケイエスミラクルは、父はアメリカで3勝、G3で2着という成績でした。全兄にアメリカで12勝を挙げたスリングショットがいます。また、いとこには1975年の神戸新聞杯を制したトウフクホープがいます。母系近親には種牡馬のクラフティプロスペクターや、ゲームオンデュードなどがいます。

ケイエスミラクルは、その短い競走生活の中で、鮮烈な印象を残しました。スワンステークスで見せたレコード victory、そしてスプリンターズステークスでの悲劇的な最期は、今も多くの競馬ファンの記憶に残っています。

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