ゲームオンデュード

ゲームオンデュード：北米を代表した名騸馬の軌跡

2007年生まれのアメリカ合衆国産サラブレッド競走馬、ゲームオンデュードは、類まれな強さと気性で北米競馬史に名を刻んだ名馬です。サンタアニタハンデキャップ3勝を含むG1競走8勝という輝かしい戦績は、その実力の高さを如実に物語っています。サンタアニタハンデキャップ3勝は史上初の快挙であり、彼の偉業を象徴する記録と言えるでしょう。

華麗なる勝利の数々

ゲームオンデュードは、グッドウッドステークス（2勝）、パシフィッククラシックステークス、ハリウッドゴールドカップ（2勝）など、数々の重賞競走を制覇しました。特に、2013年のパシフィッククラシックでは8馬身半差という圧倒的な勝利を収めており、その強さは群を抜いていました。 この勝利は、記録的な着差だけでなく、異例なタイム計測問題も引き起こし、話題を呼びました。公式記録は2分00秒69でしたが、Trakus Time社は1分59秒26と主張しました。公式には認められませんでしたが、それでも同競走で3位に速いタイムであり、彼の驚異的な能力を示すエピソードとして残っています。

最強馬たちとの激闘

彼の競走人生は、当時の北米競馬界を代表する強豪たちとの壮絶な戦いの連続でした。オーサムジェム、ティズウェイ、ルーラーオンアイス、アンクルモー、ステイサースティ、ムーチョマッチョマン、ウィルテイクチャージといった名馬たちと鎬を削り、幾多の死闘を制してきました。ワールド・サラブレッド・ランキングでも上位30頭に入るなど、世界最高峰の競走馬としてその名を轟かせました。ケルソ、ジョンヘンリー、フォアゴーといった伝説的名騸馬と肩を並べ、史上最高の騸馬の一頭として語り継がれる存在です。

生い立ちと競走生活

ケンタッキー州で生産されたゲームオンデュードは、黒鹿毛の騸馬でした。父はBCクラシック勝ち馬のオーサムアゲイン、母は8勝馬のワールドリープレジャーという、一流の血統を受け継いでいました。2歳時には競走に出走せず、3歳になってから本格的な競走生活を始めました。初期は目立った活躍はありませんでしたが、ローンスターダービーで重賞初制覇を果たすと、その後も着実に実力を伸ばしていきました。

2011年、サンタアニタハンデキャップでG1初制覇。しかし、この勝利は審議の末に確定したため、ブーイングも巻き起こりました。その後も、グッドウッドステークスを制覇するなど活躍を見せ、ブリーダーズカップ・クラシックでは2着に入るなど、常に上位を争う存在でした。

2012年には、ドバイワールドカップに出走するなど国際舞台にも挑戦。国内ではハリウッドゴールドカップ、オーサムアゲインステークス、ネイティヴダイヴァーハンデキャップなどで勝利を収めました。しかし、ブリーダーズカップ・クラシックでは7着と敗れるなど、強豪ひしめくレースでは苦戦も見せました。

2013年は、サンアントニオステークス、サンタアニタハンデキャップ、チャールズタウンクラシック、ハリウッドゴールドカップ、パシフィッククラシックと6連勝を達成。このサンタアニタハンデキャップ、ハリウッドゴールドカップ、パシフィッククラシックの3冠は「カリフォルニアトリプルクラウン」と呼ばれ、2006年のラヴァマン以来の快挙でした。しかし、ブリーダーズカップ・クラシックでは9着と大敗を喫し、エクリプス賞受賞には届きませんでした。

2014年、サンタアニタハンデキャップで3勝目を達成。しかし、その後は思うように勝利を収めることができず、パシフィッククラシックを最後に引退しました。ボブ・バファート調教師は、ゲームオンデュードが競走を楽しむことができなくなってきたこと、G1級で勝ち負けできなくなってきたことを引退の理由として挙げています。

高い評価と引退

ゲームオンデュードは、2011年のワールド・サラブレッド・ランキングで世界23位、アメリカ4位にランクインするなど、世界的に高い評価を得ていました。彼の競走馬としてのキャリアは、数々の激闘と勝利、そして惜しまれつつも幕を閉じました。しかし、その輝かしい功績は、人々の記憶に長く刻まれ続けるでしょう。 引退後は、ケンタッキー州の功労馬繋養施設で余生を過ごしています。彼の残した足跡は、後世の競走馬たちにとって、永遠の目標となるでしょう。

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