ケンミン食品

ケンミン食品株式会社：ビーフンパイオニアの挑戦と進化

1950年、兵庫県神戸市に設立されたケンミン食品株式会社は、日本で初めて味付きビーフンを商品化したパイオニア企業として知られています。創業から現在まで、ビーフン専門メーカーとしての地位を確立し、国内ビーフン市場の約7割を占める圧倒的なシェアを誇ります。

主力製品である「ケンミン焼ビーフン」は、1960年の発売以来、長きにわたって愛され続けており、2020年には「世界で最も長く販売されている焼ビーフンブランド」としてギネス世界記録に認定されました。この60年以上にわたるロングセラーは、同社の製品開発力と市場への深い理解を示すものです。

ビーフン以外にも、はるさめ、くずきりなどの乾麺類や、中国茶、冷凍食品、ライスペースト、ライスペーパーといった多様な食品を製造・販売しています。さらに、中国から輸入した烏龍茶葉をサントリーへ納入するなど、幅広い事業展開を行っています。

同社の社名は、台湾出身の創業者である高村健民氏の名前に由来しています。ビーフンをはじめとする米麺開発・製造における豊富な経験と技術を持つプロ集団として、業界をリードし続けています。

ケンミン食品は、製造・販売事業に加え、飲食事業にも積極的に取り組んでいます。神戸本社ビルには直営の中華料理店「健民ダイニング」を構え、神戸南京町には「神戸 南京町 YUNYUN」、東京六本木にも「健民ダイニング六本木」を展開するなど、多角的な事業ポートフォリオを構築しています。

企業の歴史：ビーフンと共に歩む道のり

ケンミン食品の歴史は、ビーフン製造開始から始まりました。

1950年：健民商会としてビーフン製造開始
1957年：株式会社健民商会に社名変更
1960年：味付き「ケンミン焼ビーフン」発売
1964年：ケンミン食品株式会社に社名変更
1968年：東食グループに参加
1985年：「ユンユン」中華ファーストフード店開業
1995年：中華料理レストラン「エイジアンカフェ」開業
1999年：「ユンユン」リニューアル
2006年：「エイジアンカフェ」を「健民ダイニング」にリニューアル
2009年：創業者高村健民氏逝去
2010年：創業60周年
2016年：健民ダイニング六本木店オープン
2017年：フジケンミンフーズ（株）設立
2019年：ヴィッセル神戸のトップパートナーシップ締結
* 2020年：「ケンミン焼ビーフン」ギネス世界記録認定

これらの出来事は、同社の成長と変化を物語っています。

不気味で話題を呼んだCM

ケンミン食品は、長年にわたってインパクトのあるテレビCMを制作・放映することで知られています。特に1980年代のCMは、独特のシュールな世界観と、商品に関する説明がほとんどない構成で話題を呼びました。子供たちが路地裏でつぶやくCMや、老婆の流暢な中国語、宮川大助・花子の奇妙なパフォーマンスなど、数々の印象的なCMが制作されました。これらのCMは、商品そのものよりも、その不気味さやシュールさで視聴者の記憶に残るものとなりました。

近年は、CMの放送頻度は低下していますが、その独特の世界観は維持されています。岸部一徳が出演した50周年、55周年記念のCMシリーズも記憶に新しいところです。

ケンミン食品の未来

ケンミン食品は、ビーフンという枠にとどまらず、多様な商品開発、飲食事業への進出など、積極的な姿勢で成長を続けています。これからも、その挑戦は続くでしょう。

もう一度検索