コロンビア軍

コロンビア軍（Fuerzas Armadas de Colombia）

コロンビア軍は、コロンビア共和国の主権と領土を守るための軍事組織です。大統領を最高司令官とし、国防大臣を通じて文民統制を受けています。国防省の傘下に陸軍、海軍、航空宇宙軍の三軍が存在します。

歴史

コロンビア軍の法的根拠は、1886年憲法第120条にあります。この条項で、大統領に軍の最高指揮権があることが明記されました。その後、1944年の法律第102号によって政府機関としての位置づけが確立し、参謀総長に指揮権が集約されました。1951年には総司令官職が正式に定義され、アメリカ合衆国の統合運用に関する研究が法典整備を後押ししました。1991年憲法第217条では、国軍の存在と任務が公式に定義されています。

組織構成

コロンビア軍は大統領を最高司令官とし、国防省傘下の国軍総司令部（Comando General Fuerzas Militares）によって調整・運用されます。

陸軍

陸軍は、7個師団を基本戦略単位として、緊急展開部隊や特殊部隊など、多様な部隊・機関で構成されています。1964年以来続く国内の混乱を鎮圧するため、大規模な兵力を動員して治安維持作戦を継続しており、歩兵が主力となっています。また、拉致対策特殊部隊、対麻薬部隊、民事作戦のための交通エネルギー大隊など、独自の部隊も存在します。

海軍

海軍は、4隻の潜水艦と4隻のフリゲートを基幹とし、多数の河川哨戒艇を保有しています。国内を13の海軍管区に分け、カリブ海（サンアンドレス島とプロビデンシア島を含む）と太平洋側に基地を設置しています。海軍航空隊、約23,000人規模の海兵隊、沿岸警備隊も擁しています。

航空宇宙軍

航空宇宙軍は、8個の航空集団の下、各種学校や機関、その他の部隊で構成されています。

付属機関

国軍総司令部の下には、以下の機関があります。

コロンビア軍事博物館（Museo Militar de Colombia）
予備役担当部（Profesionales Oficiales de la Reserva）
拉致対策警察活動（人質解放統一行動グループ）国軍担当部（Gaulas Militares）
政府関連軍事産業会社「Industria Militar」（Indumil）
軍印刷部（Imprenta Militar）
軍保健部（Sanidad Militar）
市街地特殊部隊グループ（Agrupación de Fuerzas Especiales Urbanas）
国軍大学校（Escuela Superior de Guerra）
高等軍事裁判所（Tribunal Superior Militar）


コロンビア軍は、長年にわたる国内紛争において重要な役割を果たしており、治安維持、麻薬対策、人道支援など、多岐にわたる任務を遂行しています。

参考文献

Christopher Langton, Military Balance 2007, Routledge

外部リンク

* Ministerio de Defensa de Colombia 国防省（スペイン語）

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