サンダーストーム

『サンダーストーム』の世界

『サンダーストーム』(THUNDER STORM)は、1984年5月に日本のデータイーストによってリリースされたアーケード向けの3Dシューティングゲームです。このゲームは、日本国外では『Cobra Command』という名称で知られています。本作は、同社が1983年に発表した『幻魔大戦』に続くレーザーディスクゲームの第2弾として位置付けられています。

ゲームの概要

ユーザーは、戦闘ヘリコプターLX-3の操縦士となり、世界中で活動する武装テロリストに立ち向かいます。LX-3は強力な武装を備え、ミサイルや機関銃を駆使して敵機や地上の敵を撃破することが目的です。プレイヤーは、様々な目標に対しての攻撃や操縦を行いながら、迫り来る危険を回避しなければなりません。

データイーストのチームが手掛け、岸本良久がゲームデザイン、熊谷慎太郎がプログラムを担当し、さらに音楽はロックバンドのTAOが制作しています。ゲームは、ミサイルや機関銃のボタンを利用してLX-3を操作し、リアルな空中戦を体験することができます。特に、敵からのさまざまな攻撃に対処しながら進む攻撃的なスタイルがプレイヤーに臨場感を与えます。

移植と展開

このゲームは、1985年にX1とMSXへ移植されて以来、1988年にはタカラのビデオチャレンジャーとしても展開されました。また、1992年には『サンダーストームFX』としてメガCDに移植され、さらに後にセガサターンやPlayStation用のソフト『サンダーストーム&ロードブラスター』(1995年)に収録されるなど、時代を超えた持続的な人気を誇ります。2009年にはiOS向けに、2010年にはWindowsやX68030用ソフトがリリースされました。

ゲームデザイン

本作は、既存のアニメ映像を使用せず、データイースト初の完全オリジナルのレーザーディスクゲームとして知られています。アニメーション部分には、東映動画が関与し、プレイヤーに迫力ある視覚体験を提供しました。多くの筐体は『幻魔大戦』から流用された形で、当初は専用のコクピット筐体で提供され、その後は改造キットも発売され他社製のLDゲームへ流用されることもありました。

ゲームシステム

ステージは全部で10あり、順番に前進するシーケンシャルプレイが基本ですが、一部のステージは無作為に選べる仕組みになっています。ゲーム中では、入電されたテロリストの情報をもとに、LX-3に搭乗したパイロットが出撃します。テロリストには航空機、小型兵器、戦艦などがあり、攻撃方法も多様です。プレイヤーは瞬時に敵を識別し、適切な武器を選択する必要があり、正しい操作を行えば次のシーンに進み、失敗すれば自機が撃墜されてしまいます。

ステージ設定

ステージには、ニューヨークやローマ、ヒマラヤ山脈など、様々な巧妙にデザインされた場所が用意されています。各ステージは異なる難易度を持ち、プレイヤーは様々な戦略を駆使してクリアを目指します。

評価と影響

本作は、アーケード版においては高い評価を受けており、特にその迫力のあるアニメ映像とゲームシステムはユーザーから称賛されました。ゲームプレイの独特な体験は、当時のコンシューマー市場でも注目を浴びました。メガCD版など、様々なプラットフォームに展開されたことで、多くのプレイヤーに愛され続けています。

『サンダーストーム』は単なるゲームを超え、アニメ演出とアクションシューティングの融合を実現した名作として、今もなお多くのファンの記憶に残っています。

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