サンデーコミックス

サンデーコミックスの歴史と影響

サンデーコミックス（Sunday Comics）は、秋田書店が1966年7月に刊行を開始した漫画の単行本レーベルであり、日本のB6判またはB6変形判における新書単行本スタイルの先駆けといえます。このレーベル名は、秋田書店が以前から発行していた新書「サンデー新書」を基にしていることから名づけられました。他の出版社の作品との差別化を図るため、一般的には「秋田サンデーコミックス」と呼ばれることもあります。

当初、サンデーコミックスが登場する前には、他社からコダマプレスのダイヤモンドコミックスや小学館のゴールデンコミックスが登場し、あまり成功を収めることができませんでした。しかし、サンデーコミックスは初めての成功を収め、新書判漫画単行本の時代を切り開いたのです。この成功は、秋田書店の社長である秋田貞夫が最初に提案された企画に対して反対の姿勢を取っていた中で、彼の親族であり企画を進めた君夫が潮流を変えて実現しました。君夫は、先行するジャンルの作品に強いインパクトがなかったと指摘し、石ノ森章太郎の名作『サイボーグ009』を刊行したいと提案しました。

新書判漫画単行本の市場はまだ確立されておらず、当時の大手出版社は本格的には参入していませんでした。そのため、サンデーコミックスは自社の雑誌のみならず、講談社『週刊少年マガジン』や小学館『週刊少年サンデー』に連載された人気作を網羅することで、子供たちの間で高い人気を得ました。これによりサンデーコミックスはブランドとして確立され、秋田書店も大きな経済的利益を享受しました。この利益は、1968年に創刊された『プレイコミック』や1969年の『週刊少年チャンピオン』の原資ともなったとされています。

また、サンデーコミックスでは、連載が行われていた雑誌も多様であり、『少年キング』や『ぼくら』、『少年』、『少年ブック』、『まんが王』、『少女フレンド』、『高一コース』など、さまざまな作品が収集されていました。しかし、時が経つにつれ各出版社が自社で漫画のレーベルを立ち上げるようになり、秋田書店自身も『少年チャンピオン・コミックス』や『プレイコミック・シリーズ』を設立したため、かつての名作を取り入れることが少なくなりました。その結果、サンデーコミックスの新刊刊行数は減少してきました。

今では、秋田書店が中心となって活躍していた作家たちが他社に移行して発表した作品が多くなり、1991年に刊行された小山田いく著『ろこモーション』第3巻を最後に新刊の発行は停止しました。ただし、2007年に手塚治虫の『どろろ』が映画化された際には、復刻版が発行されるなど、旧作への再発行は行われています。

不可欠な点として、サンデーコミックスは初版の装丁や構成を長年変えずに再刷を続けており、その代表的な作品には1966年に初刊行された『サイボーグ009』第一巻が含まれ、現在も市場で購買可能です。サンデーコミックスは日本の漫画界における重要な存在として、その歴史を刻み続けています。

もう一度検索