ザクセン＝コーブルク＝ゴータ公国

ザクセン＝コーブルク＝ゴータ公国について

ザクセン＝コーブルク＝ゴータ公国（Herzogtum Sachsen-Coburg und Gotha）は、1826年から1918年の約92年間にわたり、ドイツ中部に位置するテューリンゲン地方に存在した領邦国家です。この公国は、ザクセン＝コーブルク公国およびザクセン＝ゴータ公国が同君連合を結成することで形成されました。公国の首都はそれぞれコーブルクとゴータに置かれ、地域的には小規模ながら、歴史的には重要な役割を果たしました。

地理的特徴

ザクセン＝コーブルク＝ゴータ公国は、ドイツ帝国の一部であり、テューリンゲン諸邦の一翼を担っていました。この地域は、複雑な領土の歴史的経緯から、大小様々な飛地が入り組む地形を形成しています。公国は、北側のザクセン＝ゴータ公国（現在のテューリンゲン州ゴータ郡）と南側のザクセン＝コーブルク公国（現在のバイエルン州コーブルク郡）との間に位置し、物理的には隔たった2つの地域で成り立っています。

歴史的背景

ザクセン＝コーブルク＝ゴータ公国の起源は1825年にさかのぼります。その年、ザクセン＝ゴータ＝アルテンブルク公フリードリヒ4世が死去し、公家が断絶したことがきっかけとなり、領土の再分配が行われました。この際、ザクセン＝コーブルク公国の公エルンスト1世がゴータを継承し、新たにザクセン＝コーブルク＝ゴータ公国が設立されました。また、この時期に公国はドイツ関税同盟や北ドイツ連邦に加盟し、次第にその存在感を増していきました。

公国内では名目上、コーブルクとゴータは各々の公国として存在しましたが、連邦参議院においては両公国合わせて一票しか与えられませんでした。このため、融合を図る提案が2度なされたものの、合併は実現しませんでした。

公国の歴史の中でも特筆すべき点は、エルンスト2世の治世においてアメリカ連合国を国家承認したことです。このように、ザクセン＝コーブルク＝ゴータ公国は、外交面でも特異な位置を占めていました。

1918年、ドイツ革命の影響を受け、カール・エドゥアルト公が退位を宣言したことにより、公国は消滅しました。その後、1920年には住民投票の結果に基づき、コーブルク自由州がバイエルン州に、ザクセン＝ゴータ自由州がテューリンゲン州にそれぞれ編入されました。

君主の系譜

ザクセン＝コーブルク＝ゴータ公国の歴史には、特にイギリス王室との関係が深く、次のような君主たちが名を連ねています。

• - エルンスト1世（1826年 - 1844年）
• - エルンスト2世（1844年 - 1893年）
• - アルフレート（1893年 - 1900年）
• - カール・エドゥアルト（1900年 - 1918年）

特に、第3代と第4代の公はイギリス女王ヴィクトリアと王配アルバートの子孫であり、イギリス王族としても育てられました。このように、ザクセン＝コーブルク＝ゴータ公国は、単なる領邦国家であるだけでなく、ヨーロッパの王室と広く結びついた歴史を持つ重要な存在でした。

おわりに

ザクセン＝コーブルク＝ゴータ公国は、その短い歴史の中で多くの影響を与え、さらには現在のドイツの歴史にも大きな足跡を残しました。公国が存在していた時代は、ヨーロッパ全体が政変や国境変更によって変動する中で、さまざまな外交的役割を果たしました。

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