ジャガー・ルクルト

ジャガー・ルクルト：革新と伝統が息づくスイスの名門時計ブランド

ジャガー・ルクルト（Jaeger-LeCoultre）は、1833年にスイスのル・サンティエで創業した、世界的に有名な高級時計メーカーです。その卓越した技術力と美しいデザインから、世界五大時計ブランドに次ぐ名門として高く評価されています。

マニュファクチュールとしての矜持

ジャガー・ルクルトは、スイス時計産業の聖地ジュウ渓谷で、いち早く自社一貫生産体制（マニュファクチュール）を確立しました。これにより、ムーブメントからケースまで、時計のすべての部品を自社で製造することが可能となり、品質への徹底的なこだわりを実現しています。これまでに数百の発明と1,000種類以上のキャリバーを開発し、時計業界に多大な貢献をしてきました。世界最小キャリバーや半永久的に動き続けるアトモスなど、革新的な技術は、ジャガー・ルクルトの技術力の高さを物語っています。

パテック・フィリップ、オーデマ・ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタンといった名だたる高級時計ブランドにムーブメントを供給してきた歴史も、その技術力の証です。卓越した技術力から「グランド・メゾン」の異名を持ちます。

厳格な品質管理

1992年以降、ジャガー・ルクルトで製造されるほぼ全ての腕時計に対して、「1000時間コントロール」テストを実施しています。これは、「精度」「気温変化への耐性」「気圧変化への耐性」「耐衝撃性」「耐磁性」「防水性」という6つの要素を、1000時間（約6週間）に渡って検査するもので、スイス公式クロノメーター検定（COSC）やジュネーブシールよりも遥かに厳格です。また、どれだけ古くとも自社で製造した時計であれば修理を受け付ける「永久修理」を掲げており、顧客への責任を大切にしています。

アイコンモデル「レベルソ」

ジャガー・ルクルトの普遍的なアイコンとして知られるのが、レクタンギュラーケースのタイムピース「レベルソ」です。1931年、ポロ競技の衝撃から時計を守るために開発されたこのモデルは、ケースが反転する独創的な機構を備えています。アール・デコ様式を纏った美しいデザインは、時を経ても色褪せることなく、多くの人々を魅了し続けています。

多彩なコレクション

レベルソ以外にも、ジャガー・ルクルトは数多くの魅力的なコレクションを展開しています。

マスター：1000時間コントロールテストをクリアした、信頼性と精度を追求したコレクション
デュオメトル：2つの独立したメカニズムが連動する、革新的なデュアル・ウィング ムーブメントを搭載
ランデヴー：女性らしさを追求した、エレガントなコレクション
ポラリス：1968年のダイバーズウォッチをルーツとする、スポーティなコレクション
アトモス：大気中のわずかな温度変化で動き続ける、革新的な置時計
ハイブリス・メカニカ：ジャガー・ルクルトの技術を結集した、複雑機構搭載のコレクション

これらのコレクションは、それぞれ独自の魅力と個性を持ち、多様なニーズに応えています。

ジャガー・ルクルトの歴史

16世紀にフランスからスイスに移住したルクルト家は、ジュウ渓谷で時計製造の歴史を築き上げました。1833年、アントワーヌ・ルクルトが時計製造のアトリエを開設し、1866年には、息子エリーとともに、ジュウ渓谷初の本格的なマニュファクチュール、LeCoultre & Cie を創設。1903年、フランスのエドモンド・ジャガーとの協力関係が始まり、1937年にジャガー・ルクルト ブランドが正式に誕生しました。2000年からは、リシュモン・グループの一員となっています。

時計製造の革新者

ジャガー・ルクルトは、創業以来、常に革新的な技術を追求し、数々の発明と特許を取得してきました。ミリオノメーター、鍵なし（竜頭巻き）時計、ルクルト製キャリバー145、グランド・コンプリケーションなど、その技術革新は枚挙にいとまがありません。これらの革新的な技術は、時計業界に大きな影響を与え、ジャガー・ルクルトの名声を確固たるものにしました。

ジャガー・ルクルトは、伝統を守りながらも、常に革新を続けることで、高級時計の世界を牽引してきました。その卓越した技術と美しいデザインは、これからも多くの人々を魅了し続けることでしょう。

もう一度検索