スタジオマトリックス

有限会社スタジオマトリックス

有限会社スタジオマトリックスは、かつて日本の地に存在したアニメーション制作を手掛ける企業です。

設立と沿革

その設立は、長きにわたりアニメーション業界で活躍した白井勝也氏によって主導されました。白井氏はサンライズやスタジオディーンを経て、マッドハウスにてテレビアニメ『Bビーダマン爆外伝V』のプロデューサーを務めており、この作品の制作に携わったスタッフたちがスタジオマトリックス設立の母体となりました。設立当初、スタジオはマッドハウスの制作部門の一室を借りて業務を開始するなど、極めて密接な関係性を持っていました。

移転後もこの繋がりは続き、スタジオマトリックスの活動の大部分は、マッドハウスが元請となる作品での各話制作や工程の一部を請け負う、いわゆるグロス請けを中心に展開されました。また、この時期には、スタジオ雲雀から参加した複数のスタッフが中心となり、デジタル作画や編集などのデジタル工程を担う専門部署が立ち上げられたことも特筆されます。

元請制作への進出と活動の終焉

主にグロス請けで経験を積んだ後、スタジオマトリックスは自社が主導する元請制作にも事業を広げます。その最初の作品となったのが、2003年に手掛けたテレビシリーズ『グリーングリーン』でした。続いて2005年には『UG☆アルティメットガール』の元請制作を担当しています。これらの作品を通じて、企画段階から完成までを一貫して手掛ける能力も示しました。

しかし、その活動期間は比較的短命でした。2006年には少なくともテレビアニメシリーズにおいて、表立った制作実績が見られなくなります。そして、2007年に制作協力として参加したテレビシリーズ『鉄子の旅』を最後に、事実上、会社としての活動を停止しました。

短い期間ではありましたが、マッドハウスをはじめとする様々な会社の作品を支えるグロス請けとして、また自社元請作品を通じて、日本のアニメーション制作の一端を担いました。

主な制作作品

スタジオマトリックスが手掛けた主な作品は以下の通りです。

元請制作

グリーングリーン （2003年）
UG☆アルティメットガール （2005年）

制作協力（グロス請け等）

主にマッドハウス作品での協力が多いですが、他の制作会社の作品にも参加しています。

ブギーポップは笑わない Boogiepop Phantom （2000年、制作元請：マッドハウス）
サクラ大戦TV （2000年、制作元請：マッドハウス）
陽だまりの樹 （2000年、制作元請：マッドハウス）
爆転シュート ベイブレード （2001年、制作元請：マッドハウス）
魔法少女猫たると （2001年、制作元請：ティー・エヌ・ケー・マッドハウス）
チャンス〜トライアングルセッション〜 （2001年、制作元請：マッドハウス）
ドラゴンドライブ （2002年-2003年、制作元請：マッドハウス）
炎の蜃気楼 （2002年、制作元請：マッドハウス）
ぴたテン （2002年、制作元請：マッドハウス）
TEXHNOLYZE （2003年、制作元請：マッドハウス）
Di Gi Charat劇場 ぴよこにおまかせぴょ! （2003年、制作元請：マッドハウス）
デ・ジ・キャラットにょ （2003年-2004年、制作元請：マッドハウス）
HUNTER×HUNTER G・I Final （2004年、制作元請：日本アニメーション）
せんせいのお時間 （2004年、制作元請：J.C.STAFF）
創聖のアクエリオン （2005年、制作元請：サテライト）
いちご100% （2005年、制作元請：マッドハウス）
キスダム -ENGAGE planet- （2007年、制作元請：サテライト）
鉄子の旅 （2007年、制作元請：グループ・タック）

これらの作品リストからは、スタジオマトリックスが多岐にわたるジャンルのアニメーション制作に携わっていたことがうかがえます。短い活動期間ではありましたが、特に2000年代前半のアニメ制作において、多くの作品を縁の下で支えた存在でした。

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