セスキテルペン

セスキテルペンについて

セスキテルペン（Sesquiterpene）は、化学的には3つのイソプレン単位から構成されており、その分子式はC15H24です。この物質はテルペンに分類され、植物や昆虫において重要な役割を果たしています。セスキテルペンには、環を持つものと持たないものが存在し、さまざまな形態で自然界に見られます。また、酸化や転移といった生体内の修飾により、関連するセスキテルペノイドが合成されることでも知られています。

セスキテルペンの種類

非環式セスキテルペン

非環式のセスキテルペンの一例として、ファルネシルピロリン酸があります。これは、ゲラニルピロリン酸がイソペンテニル二リン酸と反応することで生成され、ファルネセンなどの合成中間体にもなります。さらに、この化合物が酸化されることで、より複雑なセスキテルペノイドであるファルネソールが形成されます。

単環式セスキテルペン

鎖状の構造が変わることで環化の可能性が増し、さまざまな単環式セスキテルペンが生成されます。例えば、ショウガ油に含まれるジンギベレンは六員環を持ち、また鎖の一端が他の端と環化することによって形成されるフムレンのような大きな環も存在します。これにより、環状のセスキテルペンは多様な化学的性質を持ちます。

二環式セスキテルペン

カジネンのような六員環を含む他、クローブの油に含まれるカリオフィレンには九員環とシクロブタン環が存在します。これらの化合物は、不飽和結合を持つものもあり、香りを豊かにする特徴があります。ベチバズレンやグアイアズレンといった芳香族の二環セスキテルペンもその一例です。

三環式セスキテルペン

さらに三つの環が組み合わさることで、構造の種類が豊富になります。ロンギホレン、コパエン、パチョロールなど、三環式のセスキテルペンはそれぞれ独特の性質を持っています。

ジクチオフォリンAおよびB

菌類の子実体からは有名なセスキテルペン、ジクチオフォリンAおよびBが同定されました。これらの化合物は、植物由来の香りの成分に共通するオイデスマン骨格を持ち、菌から発見された第一のオイデスマン誘導体として注目されています。また、ジクチオフォリンはアストロサイトの神経成長因子の合成を促進することが示されています。

結論

セスキテルペンはその構造の多様性から、自然界において重要な役割を担っています。それらは防衛物質やフェロモンとして働き、植物や昆虫の生態に不可欠な存在です。今後もその研究が進むことで、新たな機能や応用が期待されています。

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