ダブルクロス

ダブルクロス（DX）

概要

『ダブルクロス』（通称『DX』）は、日本製の現代アクションをテーマにしたテーブルトークRPGです。デザイナーは矢野俊策で、2001年に初版が出版されました。このゲームは、デザインやテーマ、システムにおいて、現代の社会背景や若者文化にマッチした要素を巧みに取り入れています。ゲーム・フィールドが主催する「ゲーム・フィールド大賞」では第1回準入選を果たしました。当初の題名は『ユニバーサル・ガーディアン』で、後に『ダブルクロス』として展開されました。

本作では、主人公たちは「レネゲイド」と呼ばれる未知のウイルスによって超人となった少年少女であり、彼らが日常を守るために戦う姿が描かれています。このテーマは、G・R・R・マーティンなどが関与するシェアード・ワールドSF小説「ワイルドカードシリーズ」の影響を受けているとも言われています。

ストーリーと設定

『ダブルクロス』の核心は、日常生活への愛着と、それを守るための戦いという葛藤です。物語は、超常能力が目覚めた青年たちが、普通の生活を守りつつ、危険に立ち向かう様子を描いています。プレイヤーたちは、超能力を使うことで自身の思いや他者との関係が変わってしまうという特異な体験を通して、深い人間関係を築いていくのです。

システムの特徴

『ダブルクロス』のシステムは、ロイスとタイタスという二つのコネクション概念を中心に構成されています。ロイスは他者との絆を示し、タイタスはその絆を失った際に得られる力の源となります。プレイヤーはこの二つを利用しながら、自らのキャラクターを成長させていきます。

• - ロイス: [プレイヤーキャラクター]が持つ関係性の象徴で、其の相手に対する感情を示すステータスです。ロイスはポジティブとネガティブの感情を持ち、複雑な人間関係を表現します。
• - タイタス: 他者との関係が消失することで発生し、力の源となる要素です。タイタスを昇華させることで、 PC は新たな力を得ることが可能です。

進行方式

シナリオはシーン制を採用し、プレイヤーキャラクターの侵食率がシーンのたびに上昇します。これにより、物語が進行するにつれ、キャラクターが日常に戻ることが難しくなる緊張感が生まれます。セッションは、オープニング、ミドル、クライマックス、エンディングの4つのフェイズに分かれています。

版の変遷

• - 第一版（DX1）: 2001年に出版。
• - 第二版（DX2）: 2003年にリリース、富士見書房による版元変更が行われ、著者クレジットにF.E.A.R.が追加。
• - 第三版（DX3）: 2009年にリリースされ、文庫形態での提供が行われました。

各版でルールやサプリメントが追加され、ゲーム体験が豊富になっています。

キャラクター制作

キャラクターは、シンドロームという超常能力のカテゴリから選ばれる能力を持ちます。シンドロームには複数の種類があり、プレイヤーキャラクターはこれらを自由に選択することで、個性的な能力を持ったキャラクターを作ることができます。

代表的なシンドローム

• - キュマイラ: 肉体の一部を獣化させる。
• - エグザイル: 肉体を自在に変化させる。
• - ブラム=ストーカー: 血液を操る。

これらのシンドロームにより、キャラクター間の多様な組み合わせがもたらされ、プレイヤーに多くの戦略を提供しています。

世界設定と組織

『ダブルクロス』の背景には「レネゲイドウイルス」が存在し、これに感染することで超人能力を持つ者たち、すなわちオーヴァードが生まれます。ウイルスの存在は社会に隠され、オーヴァードたちはそれぞれの組織に所属し、異なる理念のもとで活動します。

• - ユニバーサル・ガーディアンズ・ネットワーク (UGN): オーヴァードを保護し、共存を目指す組織。
• - ファルスハーツ (FH): オーヴァードの力を利用してテロ活動を行う反社会的組織。

まとめ

『ダブルクロス』はただのゲームに留まらず、登場人物の成長や関係性、日常と非日常の対比を通じて深い物語体験を提供するものです。舞台設定、システムともに魅力的な要素が多くあり、プレイヤーは多様な業の中でその可能性を広げることができるのです。

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