ティーボ

TiVo (ティーボ)とは

TiVoとは、内蔵ハードディスクにテレビ番組を録画する家庭用デジタルビデオレコーダーの名称、またはその開発企業を指します。有料の番組表サービスを利用して予約録画ができるほか、ユーザーの視聴履歴から好みを学習し、自動で番組を録画する機能が特徴です。

概要

TiVoは、ハードウェア自体、運営会社であるTiVo Inc.、およびTiVoの通信サービスを指すことがあります。TiVo Inc.は、シリコングラフィックス社やタイムワーナー系の企業出身者によって設立されました。

2006年初頭には日本市場への参入が予定されていましたが、2023年現在もサービスは開始されていません。アメリカの他、ニュージーランド、カナダ、メキシコ、オーストラリア、台湾、スウェーデン、スペイン、イギリスでサービスを展開しています。日本では、デジタル放送のEPGデータを利用した同様の機能がHDDレコーダーに標準装備されており、月額料金を徴収するビジネスモデルが成立しにくい状況です。

TiVo DVRは、お気に入りのテレビ番組を録り逃さないための「Season Pass」機能や、タイトル、出演者、監督、カテゴリー、キーワードで番組を検索・録画できる「WishList」機能を備えています。また、ホームネットワークに接続することで、映画やテレビ番組のダウンロード、高度な検索、個人写真の閲覧、音楽配信、オンラインスケジュールなどのサービスも利用可能です。

TiVoのソフトウェアはLinuxベースで、会員向けのダイヤルアップサービスを提供しています。ハードウェアはソニーやフィリップスがTiVoのライセンスを受けて製造しており、PowerPCまたはMIPSプロセッサー、MPEG-2エンコード・デコードチップ、ハードディスクで構成されています。東芝とパイオニアはDVD-R内蔵モデルも発売しましたが、アメリカではDVD-Rでライブラリを作る習慣があまりないため、普及はしませんでした。

アメリカ市場での変遷

アメリカでは、TiVoのユーザー数は2006年の400万人超をピークに減少し、2011年には200万人台となっています。その背景には、アメリカのテレビ視聴環境の変化があります。無料の地上波放送を受信する世帯よりも、衛星放送やケーブルテレビを契約する世帯が圧倒的に多く、これらのサービスではDVRをセットで提供することが一般的になりました。レンタル方式であれば、故障時に無償で交換が可能で、初期投資も不要なため、ユーザーに受け入れられています。

TiVoも一時、DirecTVと提携していましたが、2011年に提携は解消されています。また、アメリカでは日本のような「HDD付きBDレコーダー」市場も存在しません。

2010年代に入ると、高速インターネットの普及に伴い、NETFLIXやhuluなどのクラウド型VODサービスが急速に普及しました。これにより、ハードディスクなどの可動部品がないSTB経由で、ローカルの記憶容量を気にせず視聴できるようになりました。さらに、スマートテレビの登場やモバイルデバイスでの視聴スタイルの変化も加わり、TiVoもモバイル視聴に対応しています。

2016年9月には、Rovi CorporationによるTiVoの買収が完了し、新生TiVoとして新たなスタートを切りました。

トピック

アメリカでは、TiVoが「Would you TiVo Star Trek for me tonight?（今夜、スタートレックをTiVoで録画してくれる？）」のように、動詞として使われるほど録画の代名詞となりました。しかし、TiVoは商標の普通名称化を避けるため、動詞としての使用を抑制するよう努めています。

TiVo ToGo

TiVo ToGoは、TiVoレコーダーからWindowsパソコンや携帯端末に映像を転送するサービスです。

関連項目

TiVo化
ロヴィ
Gコード
Gガイド

脚注

外部リンク

TiVo Inc.（英語）
TiVo（日本語）
* NASDAQ: TIVO

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