ディジュリドゥ

ディジュリドゥとは

ディジュリドゥ（Didgeridoo）は、オーストラリアのアボリジニが作る伝統的な金管楽器です。木製でありながら、その音出しの原理により金管楽器に分類されています。主にシロアリに食べられたユーカリの木から製造され、長い歴史を持ち、独特な演奏方法を特色としています。

製法・構造

ディジュリドゥの製作は、特定のユーカリ種を使ったものが多いです。これらの木は、シロアリによって自然に筒状に食べられることが多く、その結果、音を響かせるための楽器が形成されます。製作には特殊な儀式が伴うこともあり、楽器の使用や形状は部族によって異なります。製作プロセスでは、ユーカリをアリの巣に刺し込み、シロアリに食べさせて長さを調整する手法も存在します。

ディジュリドゥの長さは80センチ[[メートル]]から2メートルを超えるものまでさまざまです。太さや内径に関しても異なり、個々の部族の文化が反映されています。一般的に、吹き口は蜜蝋で仕上げられ、表面にはアボリジナル・ペインティングが施されていることが多いです。最近では、竹やPVC、FRPなども素材として使用されるようになっています。

演奏方法

ディジュリドゥを演奏する際には、唇を震わせながら息を吹き込み、音を発生させます。この方法は、まるで金管楽器に似ている一方、独自の演奏技術である循環呼吸が用いられる点が特徴です。これにより、演奏者は音を途切れさせることなく、連続的に演奏を続けることが可能です。

ディジュリドゥとアボリジニの関係

アボリジニは、ディジュリドゥを1000年以上前から使用していたとされ、これは「世界最古の管楽器」の一つとも考えられています。この楽器は主に宗教儀式やヒーリングの場面で演奏され、アボリジニ文化の重要な要素となっています。伝統的にはオーストラリアの北部、特にクイーンズランド州や西オーストラリア州において受け継がれてきました。

アボリジニの間でのディジュリドゥは神聖視され、男性だけが演奏する楽器とされているため、女性は演奏を禁じられている部族も存在します。この独特の文化はディジュリドゥという名前の起源とも関係があり、白人入植者がこの楽器の音を聞いて名付けたとされています。

現代における影響

ディジュリドゥは、今や世界中のさまざまな音楽ジャンルで使用され、この楽器の音色が多くのアーティストによって楽曲に取り入れられています。特にイギリスの音楽バンド「ジャミロクワイ」は、ディジュリドゥ奏者ウォリス・ブキャナンが在籍したことで知られ、多くのアルバムでこの楽器をフィーチャーしています。

このように、ディジュリドゥは伝統的な文化だけでなく、現代の音楽シーンにおいても重要な役割を果たしています。

もう一度検索