ティラド

会社概要

株式会社ティラドは、熱交換器の設計、製造、販売を手がける日本の独立系メーカーです。1936年の創業以来、内燃機関を搭載する自動車、建設機械、二輪車などをはじめとする幅広い産業分野へ製品を供給してきました。日本を開発拠点とし、世界５極に展開するグローバルネットワークを構築しており、高度な熱エネルギー変換技術を通じて社会に貢献しています。

沿革

ティラドの歴史は、昭和11年（1936年）11月11日に設立された「株式會社東洋ラヂヱーター製作所」に始まります。創業当初はラジエーター製造に特化していましたが、製品ラインナップの拡充と共に事業領域を広げ、社名も時代に応じて変更されてきました。昭和19年（1944年）に「東洋冷却器株式會社」、昭和26年（1951年）に「東洋ラジエーター株式会社」となり、現在使われている「株式会社ティラド」に商号変更したのは平成17年（2005年）4月1日です。国内では川崎や名古屋、秦野などに工場を設け、技術研究所も開設して技術開発に力を入れてきました。昭和36年（1961年）には東京証券取引所市場第二部へ上場、翌年には第一部指定を受け、企業としての信頼性を高めます。海外への進出は比較的早くから行っており、昭和63年（1988年）の米国現地法人設立を皮切りに、タイ（1990年）、インド（1997年）、中国（2002年）、チェコ（2004年）、インドネシア（2008年）、ベトナム（2012年）など世界各地に製造・販売拠点を設立し、グローバル化を推進しました。近年ではM&Aや子会社設立（ティラドコネクトなど）を通じて事業を多角化・強化しています。令和4年（2022年）には東京証券取引所の市場再編に伴い、プライム市場へ移行しています。

グローバルネットワークと経営基盤

現在、ティラドは日本をマザー拠点とした研究開発体制のもと、北米、欧州、アジア、中国の各地域に製造・販売拠点を配置する「世界５極体制」を確立しています。この強固なグローバル展開により、世界中の顧客ニーズに迅速かつ的確に対応できる体制を整えています。国内外の拠点を合わせたグループ全体の年間売上高は長年にわたり1000億円を超える水準を維持しており、熱交換器専業メーカーとして安定した経営基盤を築いています。

事業内容と主な製品

ティラドは、多種多様な熱交換器を開発・製造しています。主力製品には、自動車や建設機械、農業機械などに搭載されるエンジン冷却用のラジエータ、エンジンオイルや作動油の温度を調整するオイルクーラやオイルウォーマ、ターボエンジンの吸気を冷却するチャージエアクーラ、排気ガスの一部を冷却して再循環させるEGRクーラなどがあります。近年の自動車業界の電動化トレンドに対応し、電気自動車（BEV）、燃料電池車（FCEV）、ハイブリッド車（HEV）といった電動車両向けにも注力しており、モーターやインバータ、バッテリーの温度管理に不可欠な低温ラジエータ、インバータ冷却器、バッテリー冷却器などを供給しています。特に建設機械用および二輪車用の熱交換器は、高い品質と性能が評価され、国内外で大きな市場シェアを獲得しています。

経営理念とビジョン

ティラドの経営理念は、「すぐれた熱エネルギー変換技術とサービスの提供により、地球環境にやさしい持続可能な社会の実現に貢献する」こと、そして「会社の永続的発展と顧客、株主、従業員、取引先、地域社会の幸福を追求する」ことです。企業活動を通じて社会への貢献を目指すとともに、全ての関係者の利益と幸福を追求するという強い意志が込められています。コーポレートスローガンとしては、「限りなく拡がる熱エネルギー変換技術に夢を託して」という言葉に技術への情熱を込めています。さらに、持続可能な社会実現への貢献をより明確にするため、「カーボンニュートラルの社会実現に貢献する世界NO.1熱交換器メーカを目指して」というビジョンを掲げ、技術革新と事業拡大に取り組んでいます。

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