デゼル

デゼル（Des Ailes）

デゼルは2017年2月18日に誕生した日本の競走馬で、フランス語で「翼」を意味する馬名を持っています。彼女は特に2021年の阪神牝馬ステークスでの勝利で知られていますが、その道のりは決して平坦ではありませんでした。

デビュー前の試練

デゼルが1歳の時、放牧中に大型の事故に遭い、左後肢に大きな骨折を負ってしまいました。その影響で右後肢にも関節炎を発症し、すぐにデビューが危ぶまれる事態に陥りました。このため、社台サラブレッドクラブでの馬の募集は一時的に中止されるほどの状況になりました。

3歳シーズン（2020年）

デビューを果たしたのは2020年3月15日、阪神の3歳未勝利戦でした。このレースでは武豊騎手を背に、1番人気で出走し、後方から追い越して最終直線で末脚を伸ばし見事勝利を収めました。続くスイートピーステークスでも連勝し、オークスへの優先出走権を手に入れます。しかし、オークスでは2番人気で挑んだものの、直線での伸びが欠けてしまい11着に終わりました。

秋に入り、ローズステークスでは出遅れたものの、最速の上がりタイム33秒8を記録しましたが、4着に終わり3歳シーズンを終えることとなりました。

4歳シーズン（2021年）

2021年1月の迎春ステークスでは3着となり、続く初音ステークスで勝利を収めると、4月には阪神牝馬ステークスで重賞タイトルを獲得しました。この勝利は彼女にとって重要な意味を持つもので、特に重賞初制覇を果たした瞬間はファンにとっても記憶に残ることでしょう。しかし、次のヴィクトリアマイルでは期待を背負ったものの、8着に終わる結果となりました。

秋シーズンでは府中[[牝馬ステークス]]やエリザベス女王杯に出走しましたが、成績は振るわず16着、8着と苦しいレースが続きました。

5歳シーズン（2022年）

5歳を迎えたデゼルはGIII愛知杯で始動しましたが、3着と惜しい結果に終わります。次の阪神牝馬ステークスで再挑戦したものの、またしても3着となります。さらにヴィクトリアマイルでは直線で失速し15着という結果でした。しかしレース後に左前脚に異常が見つかり、検査の結果浅屈腱炎と診断されました。クラブの規定により、翌年3月の引退期限内に復帰できないと判断されたため、引退となりました。

引退後は生まれ故郷の社台ファームでの繁殖牝馬として新たなステージに入ります。デゼルの血統は母アヴニールセルタンに由来し、彼女はフランスのGIプール・デッセ・デ・プーリッシュ、ディアヌ賞の勝ち馬です。

そのキャリアには多くの困難がありましたが、デゼルは競走馬としての役割を全うした後、新たな生活に向けて歩み始めています。

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