デビアス

デビアスグループについて

デビアスグループ（The De Beers Group of Companies）は、南アフリカ共和国に起源を持ち、現在はロンドンを本拠地とするダイヤモンドに特化した企業です。この企業は、ダイヤモンドの採掘、流通、加工、卸売を行っており、世界のダイヤモンド市場において重要な役割を果たしています。また、資源採掘を手掛ける大手企業の一員であり、85％の株式をアングロ・アメリカンが保有しています。デビアスは、歴史的にカルテルを形成しており、ダイヤモンド市場の支配を確立しています。

初期の歴史とロンドン・シンジケート

デビアスの起源は、1876年に南アフリカのキンバリーで98の小シンジケートが3600のダイヤモンド採掘地を保有していたことにさかのぼります。1880年には、セシル・ローズとチャールズ・ラッドが協力し、デビアス鉱山会社を設立しました。会社は1888年にバーニー・バルナートの鉱山会社と合併し、新しい企業体「新デビアス」の設立を果たしました。この合併により、デビアスはダイヤモンド生産において世界シェアの約90％を占めるまでになりました。

その後、デビアスはロンドン・ダイヤモンド・シンジケートとの協力関係を築き、原石の供給を行っていきます。1902年にはプレミア鉱山がシンジケートに登録され、1905年までにカリナンダイヤモンドが採掘されました。しかし、その後の数十年間は市場競争が激化し、特に第一次世界大戦終戦後は、他のダイヤモンド供給国との競争がデビアスの地位を脅かしました。

中央販売機構とその影響

1917年にはアングロ・アメリカンが南アフリカで創業いたし、デビアスはプレミア鉱山を傘下に収め、ロンドン・ダイヤモンド・シンジケートを引き継ぎます。1919年には、ドイツ領会社を買収し、さらなる圧力を受けることになりますが、資源の確保に関して巧妙な戦略を展開しました。1930年代には新しい合弁企業としてダイヤモンド・コーポレーションを設立するなど、戦略を柔軟に対応させていきました。

その後、デビアスは中央販売機構（Central Selling Organization）を設立し、ダイヤモンドの流通管理を行いました。ここでは、購入した原石を適切にユニット化し、加工センターを介して世界中に供給したのです。

マーケティングとブランド戦略

また、デビアスはマーケティングの面でも先駆的な取り組みを見せました。「ダイヤモンドは永遠の輝き」というスローガンは、20世紀のマーケティング史に残る象徴的なフレーズとなり、ダイヤモンド自体が愛と永遠のシンボルとして受け入れられました。映画や有名人を活用した広報活動により、ダイヤモンドは特定の社会的な地位を表す重要なアイテムとしての地位を確立しました。

戦後、日本においてもこの戦略が用いられ、ダイヤモンドは「欧米風生活」の象徴として扱われるようになりました。その結果、1960年代における高度経済成長期の流れとともに、デビアスの販売数が飛躍的に増加し、日本は世界第2位のダイヤモンド小売市場へと成長したのです。

現在の展望

21世紀に入ってからも、デビアスは競争の中で新たな道を模索しています。2018年には、合成ダイヤモンド市場への参入を発表し、従来の天然ダイヤモンドとの違いを明確化することで、更なる顧客層の獲得を目指しています。これにより、デビアスはこれまでと同様の伝統を尊重しつつ、新しい技術やトレンドにも適応していることを示しています。 時計の針は次第に変わり、デビアスの姿勢も進化し続けています。

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