トウショウファルコ

トウショウファルコ：美しき闘将の生涯

トウショウファルコ(1986年5月16日 - 2005年10月21日)は、日本の競走馬、そして誘導馬として多くのファンを魅了した名馬です。栗毛の体毛に金色のたてがみと尾という美しい容姿から「金髪の貴公子」や「走るベルバラ」といった愛称で親しまれ、その活躍ぶりは人々の記憶に深く刻まれています。

華麗なる競走馬時代

北海道静内町の藤正牧場で生まれたトウショウファルコは、長距離レースで活躍したグリーングラスを父に持ちます。母系はスピードに優れた血統を受け継いでいましたが、幼少期は後躯の弱さや蹄のトラブルを抱え、競走馬としての将来は不透明でした。しかし、1988年、茨城県美浦トレーニングセンターに入厩し、本格的なトレーニングを開始します。

1989年2月、小倉競馬場でデビュー。当初はなかなか勝ち上がれませんでしたが、障害競走の練習を通して後躯を強化し、安定した成績を残すようになります。1991年には重賞レースで3着入賞、そしてオープン競走を制覇し、オープンクラスへの昇格を果たしました。

転機となったのは1992年。日刊スポーツ賞金杯では、13万人を超える観衆が見守る中、見事優勝を飾ります。続くアメリカジョッキークラブカップでも優勝し、重賞2連勝を達成。父グリーングラスとの父子制覇という偉業も成し遂げました。これらの勝利は、トウショウファルコの後躯の弱さや蹄のトラブルが克服された証でもありました。

その後、天皇賞(春)への挑戦が期待されましたが、蹄球炎や骨折などのアクシデントに見舞われ、1993年に惜しまれつつ引退を迎えました。

誘導馬として第二の活躍

引退後、トウショウファルコの美しい容姿と、競走馬時代からの高い人気を受け、東京競馬場で誘導馬として活躍することになります。1995年6月から1999年11月まで、その役目を担い、多くのファンを魅了し続けました。パドックでは、競走馬時代と同様に多くの声援とファンレターを受け取っていたといいます。

1999年11月7日、誘導馬としての最後の勤務を終えたトウショウファルコには、「お別れセレモニー」が開催され、多くの人がその別れを惜しみました。

引退後とその後

誘導馬引退後は、神奈川県横浜市の馬の博物館でサラブレッドの代表として繋養され、「乗馬デー」では一般客の体験乗馬にも参加しました。2005年10月21日、19歳で老衰のため亡くなりました。根岸競馬記念公苑には、トウショウファルコを偲ぶ追悼石碑が建立されています。

トウショウファルコは、競走馬としての華々しい活躍だけでなく、引退後の誘導馬としての活躍、そしてその美しい容姿と気品ある佇まいから、多くの人々の心に深く刻まれた名馬として、これからも語り継がれていくことでしょう。その輝かしい功績と記憶は、競馬史に燦然と輝く一ページを飾っています。

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