トロッコ保津峡駅

トロッコ保津峡駅の概要

トロッコ保津峡駅は、京都府京都市西京区の嵐山北松尾山にあり、嵯峨野観光鉄道の嵯峨野観光線に所在しています。この駅は、第2回近畿の駅百選に選ばれており、その歴史や景観から多くの観光客に親しまれています。

歴史

トロッコ保津峡駅の歴史は長く、1929年（昭和4年）8月17日に国鉄山陰本線の松尾山信号場として開設されました。1936年（昭和11年）4月15日には旅客駅としての営業を開始し、保津峡駅と名付けられました。その後、1987年（昭和62年）に国鉄が分割民営化され、JR西日本の駅となります。1989年（平成元年）には新線への切り替えにより現在の保津峡駅に移転し、従来の駅は使用されなくなりました。

旧駅の設備を利用し、1991年（平成3年）4月27日にトロッコ保津峡駅として再開業しました。2001年（平成13年）には再び第2回近畿の駅百選に選ばれ、観光地としての地位を確立します。そこからは、さまざまな台風や自然災害にも見舞われながらも、2014年（平成26年）に無事営業再開を果たしました。

駅構造

トロッコ保津峡駅は、単式ホーム1面1線の地上駅です。かつては山陰本線の保津峡駅として利用されていましたが、トロッコ化に伴う改変が行われました。当初は相対式ホーム2面2線の構造でしたが、現在のトロッコ化された際に交換設備が削除され、新しいホームが設置されたのです。ホームの中央には、トロッコ化後に設置されたカリヨンがあり、列車の到着に合わせて美しい音楽が響き渡ります。

駅は無人で運営されており、乗車券は車内で購入する旨が案内されています。なお、保津川に架かる鵜飼橋が、駅への唯一のアクセス手段となっています。この橋の道路側には、山陰本線時代に営業していた売店の名残も見られます。

駅周辺

トロッコ保津峡駅の近くには、京都府道50号が通っており、周辺には自然の風景が広がっています。隣接する保津峡駅とは直線距離で500メートルの位置にありますが、実際には道路を迂回するため約1,100メートル離れています。徒歩での移動で約15分かかるため、観光客は注意が必要です。

作品の舞台

トロッコ保津峡駅は、数々の文学作品や映像作品の舞台となっています。特に、鷺沢萠の小説『岸辺の駅』では重要なロケ地として取り上げられています。映画『蒲田行進曲』や『姉妹坂』、さらにはテレビドラマ『横溝正史シリーズII・八つ墓村』などでもその景観が利用され、多くの視聴者の記憶に残るスポットとなりました。

また、1984年には大森屋の贈り物広告のCMにも登場し、駅構内や鵜飼橋が撮影されました。これらの作品を通じて、トロッコ保津峡駅はその美しい風景を多くの人々に伝える場となっています。

隣の駅

トロッコ保津峡駅の隣には、嵯峨野観光鉄道のトロッコ嵐山駅およびトロッコ亀岡駅があります。これらの駅は、景色を楽しみながらの列車旅に欠かせない重要な拠点です。

まとめ

トロッコ保津峡駅は、その美しい自然環境と豊富な歴史を持つ駅です。観光地としてだけでなく、様々な文化作品に触発されたスポットでもあります。訪れる人々にとって、魅力的な体験を提供する駅として知られています。

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