ネクトン

ネクトン（遊泳生物）とは

ネクトン、または遊泳生物とは、水生生物の生活型の一つであり、水中を自由に動き回る生物のことを指します。彼らは水底や水面に依存せず、水中を自力で遊泳できる能力を持ちます。この遊泳する生活様式は「遊泳性」と呼ばれます。

プランクトンとの違い

ネクトンはプランクトンと共に「漂泳生物」としてまとめられます。漂泳生物とは、水底にも水面にも接することなく水中に生息する生物の総称です。このうち、水流に逆らって遊泳できるものがネクトン、遊泳能力が低く水流に身を任せて漂うものがプランクトンと区別されます。

ベントス、ニューストンとの比較

水底に生息する生物は「ベントス」、水面上に生息する生物は「ニューストン」と呼ばれます。ネクトンはこれらとは異なり、水中を自由に移動できる点が特徴です。

ネクトンに分類される生物

ネクトンに分類されるのは、主に以下のような生物です。

魚類 (大半)
海獣類
頭足類 (大半)
二枚貝 (一部)
* 甲殻類 (一部)

プランクトンやベントスと異なり、ネクトンは動物のみで構成されます。また、これらの生物の中には、成体はネクトンとして生活するものの、幼生の期間はプランクトンとして漂う「一時プランクトン」と呼ばれるものも存在します。

マイクロネクトン

ネクトンの中でも比較的小型のものは、遊泳能力が比較的低く、プランクトンに近い性質を持つ「マイクロネクトン」として区別されることがあります。

ネクトベントス

タコの一部、ホタテガイ類、ヒラメ類のように、普段は海底に生息しながらも、遊泳能力を併せ持つ生物は、ネクトンとベントスの中間的な存在として「ネクトベントス」と呼ばれます。彼らは必要に応じて海底を離れ、水中を遊泳することができます。

ネクトンは、海洋生態系において重要な役割を果たしています。彼らは食物連鎖の中間的な位置を占め、より大きな捕食者に捕食される一方で、プランクトンや小型の生物を捕食します。ネクトンの存在は、海洋生態系のバランスを保つ上で不可欠です。

もう一度検索