ハンコヤドットコム

株式会社ハンコヤドットコム

株式会社ハンコヤドットコム（英語表記: hankoya.com, Inc.）は、大阪府大阪市に本社を置く日本の企業です。主に印章やスタンプ、オフィス用品などをインターネットを通じて販売するオンラインショッピングサイト「ハンコヤドットコム」をはじめとする複数の専門サイトを運営しています。現在は、印刷・集客支援などを手掛けるラクスル株式会社の完全子会社として、そのグループに属しています。

創業と黎明期

同社のルーツは、創業者の藤田優氏の経験に遡ります。藤田氏は、父親が経営していた飲食店の販促物であるポップやメニューをパソコンで作成する中で、デジタルツールのスキルを磨きました。さらに、独学でプログラミング技術を習得し、父親の飲食店のウェブサイトを構築しました。この時期、藤田氏はアメリカ合衆国においてインターネットを通じた商品の販売が急速に普及している状況を知り、日本国内でもインターネット通販が大きな可能性を秘めていると確信しました。

この着想を事業化する第一歩として、藤田氏は印鑑の卸売を営んでいた知人に相談し、印鑑を仕入れました。そして、自身が作成した飲食店のウェブサイト上で、試験的に印鑑のオンライン販売を開始しました。これが、現在のハンコヤドットコムにつながる事業の端緒となりました。手応えを感じた藤田氏は、1998年に「ハンコヤドットコム」のドメインを取得し、それまでの飲食店経営から離れて、本格的にインターネット通販事業に専念することを決意します。その後、事業の拡大に伴い、2000年3月には法人組織として株式会社ハンコヤドットコムを設立しました。

沿革と組織変遷

1998年9月にEC通販サイトとして事業を開始したハンコヤドットコムは、2000年3月に大阪市中央区で資本金1,000万円をもって法人設立を果たします。事業規模の拡大に伴い、製造および出荷拠点は2001年5月に大阪市西区阿波座へ、本社機能は2008年11月に大阪市西区靱本町へと移転しました。

組織体制においても変遷を重ねています。2014年9月には新設分割を実施し、事業を継承する会社を株式会社AmidAに商号変更しました。さらに、2016年7月には吸収分割を通じてホールディングス体制を構築し、グループ全体の持株会社として株式会社AmidAホールディングスに商号を変更しました。

経営基盤の強化を図る中で、2018年12月20日には東京証券取引所マザーズ市場への上場を果たしました。しかし、その後、ラクスル株式会社による株式公開買付け（TOB）が実施され、2023年9月26日にそのTOBが成立しました。これに伴い、同年10月27日には東京証券取引所グロース市場（市場再編に伴う区分変更）において上場廃止となり、10月31日には株式売渡請求によりラクスルの完全子会社となりました。

そして、2024年7月1日には、グループ内の再編として、親会社であるAmidAホールディングスが、子会社であった株式会社ハンコヤドットコム（法人設立後2代目）と株式会社AmidAを吸収合併しました。この合併と同時に、AmidAホールディングスは再び商号を株式会社ハンコヤドットコムへと変更し、現在の体制に至っています。

主なサービスとプロモーション

同社は、印章・スタンプを核としながらも、事業領域を拡大しています。主なオンラインサービスとしては、ポータルサイト機能を持つ「ハンコヤドットコム」をはじめ、シャチハタ印鑑専門の「シャチハタ館」、ゴム印専門の「ゴム印.com」、表札専門の「表札館」、そして業務用カレンダー専門の「名入れカレンダー.com」などを運営しています。

プロモーション活動にも積極的で、これまでに俳優の遠藤憲一氏がイメージキャラクターを務めたほか、影平隆一氏、種市桃子氏、みうらじゅん氏、ロマ・トニオロ氏などがCMや広告に出演しています。

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