バ美肉

バ美肉とは

バ美肉（バびにく）という言葉は、バーチャル美少女受肉を略したもので、主に美少女のアバターを身に纏い、サイバースペースで活動することを指します。この活動は、VRChatといったプラットフォームで多く見られ、バーチャルYouTuberやバーチャルアイドルとしても活躍しています。

バ美肉の中核になるのは、美少女のアバターを使用して、自己発声をボイスチェンジャーや特別な技術で美少女の声に変えたり、自身の地声をそのまま使用して配信を行うことです。このような「受肉」という表現は、キリスト教の教義とは異なり、アバターを手に入れることを意味している点が特徴です。

バ美肉の背景

初めてこの概念が広まったのは、バーチャルYouTuber業界においてです。そこで「魂」と呼ばれる演者と、キャラクターとしての「肉体」に分かれる考え方が導入されました。「受肉」は、かつて月ノ美兎が自身の3Dモデルを手に入れた際の発言に由来しています。

バ美肉は広がるにつれ、多くの人々がアバターとして女性キャラクターを選ぶことが一般的になりました。しかし、2017年に登場した「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん」は、外見が女性でありながら、男性の魂を持つという新たなキャラクターの形を見せました。このキャラクターは、「見た目が美少女であれば、内面が男性でも問題ない」という意識を広め、多くのフォロワーを生み出しました。

現代のバ美肉

バ美肉では、ただ美少女になるだけでなく、演者の「魂」と性別の不一致を意識的に楽しむ傾向があります。このため、バーチャルYouTuberと普通のバ美肉との間には、演者の存在を認める点で明らかな相違があります。このような文化の中で、バーチャルYouTuberたちはコミュニティを形成し、さらに新たな表現を追求しています。

地獄という評価

バ美肉はしばしば「地獄」と称されることがあります。これは、自己を美少女にする過程が性癖を歪めることからきています。マグロナは、この活動を「地獄のようなコンテンツ」と形容し、最初は仲間として美少女を作り上げることを楽しんでいたが、いつの間にかその意味合いが拡大したことを指摘しています。

バ美肉の利点

バ美肉の特殊な環境は、同性愛による心の理解を深めるとも言われています。また、演者が男性であることから異性に関するトラブルが少なく、スキャンダルにもならない点が大きな利点です。バ美肉は描かれたキャラクターを自ら創造する機会を与えるものであり、これにより個々の表現力が高められます。

発声技術

男性が女性の声を出す際には、ボイスチェンジャーと呼ばれる機器の使用が一般的ですが、声そのものの発声方法も重要です。多くのバ美肉おじさんは、裏声やミックスボイスを使い、ボイスチェンジャーに頼らずとも女性の声を出すことができる「両声類」としても知られています。

メディアでの取り上げ

バ美肉は、NHK Eテレの番組や様々なメディアで取り上げられ、全国的な注目を集めています。例えば、2020年の放送では、バ美肉おじさんたちが出演しその内容が紹介されました。さらに、フランスのメディアにも取り上げられ、バ美肉という言葉は国際的な認知を得ることになりました。

イベントとコミュニティ

リアルなイベントやVR上のイベントでも、バ美肉をテーマにしたものが数多く開催されています。例えば、渋谷ではバ美肉ナイトクラブが行われ、多くのファンが集まりました。このように、バ美肉は単なるオンライン活動にとどまらず、リアルな世界にも影響を与えているのです。この文化は今後も発展し続け、多くの人々に影響を与えることでしょう。

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