ピューマ渡久地

ピューマ渡久地の生涯とボクシングキャリア

ピューマ渡久地（本名：渡久地隆人）、1969年11月20日生まれの沖縄県出身の元プロボクサーは、日本のボクシング界で特異な存在感を放つ選手でした。身長161cmで、右のファイター型のスタイルを持つ彼は、1990年代初頭にボクシング界で名を馳せ、鬼塚勝也や辰吉丈一郎と共に「平成の三羽烏」と称されています。彼のキャリアはアマチュアに始まり、多くの記録を打ち立てた後、波乱に満ちたプロ生活へと続きました。

アマチュア時代

渡久地は高校入学と同時にボクシングを始め、金城真吉監督の指導の下で才能を開花させました。彼はアマチュア時代に58戦を重ね、53勝（40RSC）を記録。その中で1987年のインターハイではフライ級準優勝、沖縄県代表としては海邦国体での優勝も飾るなど、アマチュアとしての実績を残しました。同期にはプロバスケットボール選手の伊佐勉がいるなど、彼の高校生活はスポーツに彩られたものでした。

プロボクサーとしての活躍

1988年8月にプロデビューを果たした渡久地は、圧倒的なパワーを生かしたボクシングで次々と勝利を収めます。新人王決定戦では全日本新人王の称号を手に入れ、さらには日本プロスポーツ大賞の内閣総理大臣新人賞を獲得し、早くもその名が広まります。9戦全KO勝ちの戦績で1990年には日本フライ級王座を獲得。特に、デビューからの11連続KO勝利は、日本ボクシング史において3位の記録として残りました。

しかし、成功の裏には苦難も待ち受けていました。1991年、王座防衛戦を控えた矢先に所属ジムとのトラブルで失踪し、王座は剥奪され「無期限ライセンス停止」の処分を受けました。このブランクの後も彼は2016年まで復帰し、様々な試合を繰り広げましたが、1996年、世界初挑戦では敗北を喫します。

引退後の生活とその影響

渡久地は引退後、1993年に結婚し、子供を三人授かりながら「ピューマ渡久地ボクシングジム」を設立しましたが、ジム経営のストレスや交友関係などの影響で離婚することとなりました。競技生活がもたらした健康問題、特にパンチドランカーの影響は深刻で、2019年には自らの健康問題や記憶障害が報じられました。

また、2019年には傷害事件を起こし、精神病院への入院や脳の異常が発覚するなど、彼の人生は波乱に富んでいます。こうした日々の中で、彼はボクシングの世界での栄光と同時に、日常生活での苦悩を経験していると言えます。

戦績と称号

彼のプロ戦績は27戦中23勝（19KO）4敗。日本フライ級王座は1期目と2期目を含む計2回獲得し、計5度の防衛に成功しました。波乱の人生を送ったピューマ渡久地は、日本ボクシングの歴史に名を刻む存在であり続けています。彼のキャリアは多くの人にとってインスピレーションとなり、同時に注意深く見つめ直すべき問題も提示しています。

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