ファンディーナ

ファンディーナ（Fan Dii Na）

ファンディーナは、日本の競走馬であり、主に2017年にフラワーカップ（GIII）を制覇したことで知られています。馬名の由来はタイ語で「良い夢」を意味し、母馬の名前に由来します。

誕生とデビュー前の活動

ファンディーナは2014年3月10日に北海道浦河町の谷川牧場で生まれました。谷川貴英代表は彼女が誕生した際の様子を振り返り、「とてもおとなしく、人懐っこかった」と述懐しています。また、「同じ放牧場にいる他の若駒に比べ、ファンディーナだけが息の入りが早く、これはきっと走るであろう」と確信を抱いたといいます。ファンディーナは、一口馬主法人「ターファイトクラブ」から総額4,500万円で募集され、ファンの期待を受け取ることとなりました。

3歳シーズン（2017年）

彼女はデビュー前から同じ厩舎に所属する実力馬レーヴミストラルと併せ馬を行い、その仕上がりの良さが話題に上りました。2017年1月22日の新馬戦において、岩田康誠騎手を背に戦い、逃げを選択して直線では持ったままの走りで9馬身差をつけ圧勝しました。このレースは多くのファンに衝撃を与え、彼女が注目の存在となるきっかけとなりました。

次のレースでは、岩田騎手がフェブラリーステークス（GI）に騎乗したため、代わりに川田将雅騎手が乗り、つばき賞（500万下）に出走しました。1.3倍の圧倒的な人気を背景に、スローペースから逃げこんだタガノアスワドを上がり3F33秒の速さで追い越し、デビューから2連勝を飾りました。

続くフラワーカップ（GIII）では、2番手を追走し、4コーナーで先頭に立つとそのまま持ったままの走りで5馬身差を付け、重賞初制覇を達成。勝利タイムは1分48秒7で、過去の記録を更新しました。桜花賞（GI）が中2週であるため回避し、その後は牡馬との戦いである皐月賞（GI）へ出走することが決まりましたが、そのための追加登録料200万円を支払わなければなりませんでした。

皐月賞では、69年ぶりの牝馬による制覇が期待され、単勝2.4倍の1番人気に支持されましたが、直線で失速し7着に終わりました。レース後、高野調教師は「今後は順調であればダービーへ」とのコメントを残しましたが、結局ダービー出走は叶わず、オークス（GI）への出走を諦め、休養となりました。

秋にはローズステークス（GII）で復帰を果たしましたが、目立たない結果に終わり、その後の秋華賞（GI）では期待に応えられず大敗。鞍上の岩田騎手も「反応がなかった」と語った通り、レース後の動きが鈍く、その状態からマイル戦となるリゲルステークス（OP）で再度挑戦しましたが、こちらも失敗し9着に終わりました。

その後、右後肢を痛めていたことが発覚し、最終的には12月20日に右腸骨の骨折が判明。これにより、長期の休養に入ることになりました。

4歳シーズン（2018年）

2018年7月11日には復帰を断念し、現役を引退することが発表されました。本馬の期待は大きかったものの、皐月賞以降のレースで望んだ結果を残せず、無念の引退となりました。高野調教師も「今後の人生でも後悔の気持ちが残りそうで、本当に申し訳ない」と心情を表しました。引退後、ファンディーナは生まれ故郷の谷川牧場で繁殖牝馬として新たな役割を果たしています。

繁殖成績

2024年2月16日現在、ファンディーナは繁殖牝馬として新しいスタートを切っています。彼女の母であるドリームオブジェニーはフランス産であり、競走馬としては出走していません。ファンディーナ自身の成績はファンや関係者にとって大きな期待を持たせる存在であり続けています。

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