フェアリードール

フェアリードール：競走馬としての平凡から、繁殖牝馬としての成功へ

フェアリードール (Fairy Doll) は、1991年2月13日生まれのアメリカ産競走馬です。競走成績は1戦のみで、勝利を掴むことはできませんでした。しかし、その後の活躍は、競走馬時代の平凡さをはるかに凌駕するものでした。

1994年4月、イギリスのニューマーケット競馬場で開催されたメイドン競走でデビュー。結果は5着という記録を残し、そのまま競走馬としてのキャリアを終えます。その後、日本へ輸入され、北海道早来町のノーザンファームで繁殖牝馬としての道を歩み始めることになります。

繁殖牝馬としての華々しい成功

1995年から繁殖生活を開始したフェアリードール。その産駒たちは、日本の競馬界に大きな影響を与えました。初年度の交配相手は、名種牡馬サンデーサイレンス。そして誕生したのが、後にエリザベス女王杯など重賞4勝を挙げたトゥザヴィクトリーです。

トゥザヴィクトリー以外にも、その全きょうだいであり、同じく重賞勝ち馬となったビーポジティブとサイレントディールがいます。さらに、ビスクドール、ベネンシアドール、フェアリーダンスの3頭は競走馬としては活躍できませんでしたが、いずれも繁殖入り後に重賞勝ち馬を輩出。まさに優れた遺伝子を受け継いでいると言えるでしょう。

フェアリードールは、2009年5月4日にアグネスタキオンとの仔（後のフェアリーダンス）を出産。しかし、その5日後、急死という悲しい幕切れを迎えることとなりました。

フェアリードールの血統と影響

フェアリードールの血統は、その後の日本の競馬界に大きな影響を与え続けました。2024年11月4日には、10番仔フィエラメンテの孫であるアンモシエラがJBCレディスクラシックを制覇。フェアリードール一族初のダートGI制覇という快挙を成し遂げました。

その母系には、1989年モンマスオークス優勝馬であるDream Deal、1979年デラウェアハンデキャップ優勝馬であるLikely Exchangeなど、名馬の名が連なります。さらに、半妹の産駒にも、ヘッドライナー（2010年CBC賞）、タガノトネール（2015年サマーチャンピオン、2016年武蔵野ステークス）、タガノエスプレッソ（2014年デイリー杯2歳ステークスなど重賞4勝）、そして2013年米ホープフルステークス優勝馬のStrong Mandateといった活躍馬が名を連ねています。

フェアリードールの血脈は、競走馬として活躍した馬だけでなく、数々の重賞優勝馬を生み出した繁殖牝馬としても、日本競馬史にその名を刻む存在です。競走馬としては1勝も挙げられなかった彼女が、繁殖牝馬としてこれほどまでに大きな成功を収めたことは、まさに奇跡と言えるでしょう。その血統は、これからも日本の競馬界を彩り続けることでしょう。

ゴーナウという種牡馬はフェアリードールの血統のなかで注目すべき存在です。その産駒である牝馬ドミネーションの仔、マサヤは佐賀競馬において6勝という重賞勝利数を記録しています。

フェアリードールの物語は、競走馬としての能力だけでなく、血統の素晴らしさ、そして繁殖牝馬としての才能の重要性を改めて示す、感動的なものです。彼女が繋いだ血統は、これからも日本の競馬界で輝き続けることでしょう。

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