タガノエスプレッソ

タガノエスプレッソ：平地から障害へ、数々の栄光を刻んだ競走馬

2012年2月12日生まれのタガノエスプレッソは、日本の競走馬として華々しいキャリアを歩みました。馬名の由来は、冠名である「タガノ」にイタリア語で「急行」という意味を持つ言葉が加えられています。その名にふさわしく、タガノエスプレッソは平地競走から障害競走へと転身し、数々の重賞競走で勝利を収めました。

平地競走時代の活躍

2014年8月、新潟競馬場での2歳新馬戦でデビュー。3戦目で初勝利を挙げると、続くデイリー杯2歳ステークスでは、オルフェーヴルの全弟であるアッシュゴールドを半馬身差で退け、重賞初制覇を飾りました。その後、朝日杯フューチュリティステークスにも出走しましたが、6着という結果に終わりました。

3歳時には弥生賞で3着に入るも、クラシック三冠路線では苦戦。4歳になってからも勝ち星に恵まれず、準オープンクラスに降級。しかし、降級初戦の豊明ステークスを逃げ切ってオープンクラスへ復帰を果たします。その後も勝利を目指して走り続けましたが、2019年1月のすばるステークスを最後に、新たな挑戦の地へと向かうこととなりました。

障害競走への転身と華麗なる第二章

2019年3月、障害競走に転向。転向初戦で3着に入る好スタートを切り、2戦目で障害初勝利を挙げます。その後、2020年には三木ホースランドパークジャンプステークスでタガノアンピール、タガノグルナという同冠名馬を相手に勝利。個人馬主による3着以内独占という快挙を達成しました。

続く阪神ジャンプステークスでは、最後の直線で後続に8馬身差をつける圧勝劇。3分33秒3というコースレコードを樹立し、平地と障害の両重賞で勝利した史上13頭目の競走馬となりました。この勝利は、デイリー杯2歳ステークス以来の重賞制覇となり、ダンスインザモアが保持していたJRA最長記録を更新する快挙でした。さらに、2着ケイブルグラム（父ディープインパクト）、3着ブレイクスピアー（父ブラックタイド）という結果により、父の母ウインドインハーヘアによる障害重賞3着以内独占も達成しました。

京都ジャンプステークスでは強豪オジュウチョウサンを相手に先手を奪い、逃げ切って重賞連勝を飾ります。しかし、中山大障害、中山グランドジャンプではメイショウダッサイに次ぐ3着という結果に終わりました。2022年、京都ハイジャンプで3勝目を挙げ、華々しい競走生活に幕を閉じました。

引退後

2022年8月20日、競走馬登録を抹消。現役を引退したタガノエスプレッソは、新冠タガノファームで種牡馬として第二の人生を歩み始めます。

血統

タガノエスプレッソの半兄には、タガノトネールがいます。タガノトネールは、武蔵野ステークスとサマーチャンピオンを制した実績を持つ名馬です。タガノエスプレッソの血統背景も、その活躍を支えた大きな要因と言えるでしょう。

まとめ

タガノエスプレッソは、平地競走での活躍から障害競走への転身、そして数々の重賞制覇と、ドラマチックな競走生活を送りました。その記録は、日本の競馬史に長く語り継がれることでしょう。引退後も種牡馬として、その血を受け継ぐ新たな才能が生まれることが期待されます。

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