ふげん

ふげんに関する詳しい解説

福井県敦賀市明神町に位置するふげんは、日本における原子力発電所の中でも特異な存在であり、現在は廃炉作業が進められています。この発電所は、2003年に運転を終了し、日本原子力研究開発機構がその廃炉プロジェクトを担当しています。ふげんの名称は仏教の普賢菩薩に由来しており、文化的な背景を持つとも言えます。

ふげんの概要

ふげんは日本国産の新型転換炉であり、その原型炉段階に属します。特筆すべきは、世界で初めてプルトニウムを本格的に活用する炉として注目された点で、使用するMOX燃料の本数は772本に達し、これは世界最大となっています。このような設計は、天然ウラン資源をより効率的に利用するための重要な進展とも言えるでしょう。

主要な特徴

1. 重水による中性子減速: ふげんでは重水を減速材として用い、その独自のメカニズムを採用しています。
2. プルトニウムの使用: プルトニウムを活用することで、より効率的な燃料サイクルを実現できます。
3. 国産技術の向上: 原子炉技術の発展と、安定した動作が可能となる利点を享受しています。

しかし、重水はトリチウムに変化することで管理上の難点もあり、製造コストも高くなるという問題も抱えています。

沿革

ふげんの歴史を振り返ると、1970年に全面着工され、1978年には最小臨界に達成。その後、初送電、定格出力を達成し、2003年には運転を終了しました。その後は廃止措置に関する計画が進み、各種認可が下されてきました。

2008年には廃止措置計画が認可されたものの、その完了予定は何度かの延期を経て2040年度に設定されています。具体的には、燃料受け入れの遅れが影響し、廃炉作業の完了が2033年度から2038年度に修正され、最終的には2040年度へと見直されています。

廃炉作業の進展

現在、廃炉時期については2028年度までの計画が立てられていますが、技術的な問題や安全面への配慮から、スケジュールは変更されつつあります。特に、使用済み核燃料の再処理については、フランスとの契約のもとで進められ、2022年には再処理契約が締結されました。このプロセスでは、日本側からフランスに対して使用済み燃料を約350億円で輸送し、再処理を行う形となります。

2023年には、輸送に関する課題から搬出計画がさらに延期されるという報告もありました。このため、2027年度に新たな搬出スケジュールが示される見込みです。なお、廃炉作業自体は2040年度の完了を目指していますが、使用済み燃料の恒久的な管理に関しては今後の方策が未定となっています。

まとめ

ふげんは、日本の原子力発電所としての重要な役割を果たしてきた一方、現在は廃炉作業が進められています。技術の革新だけでなく、安全面や環境問題にも配慮しつつ、その解体作業が行われているのです。日本原子力研究開発機構は、これらの取り組みを通じて、より安全な原子力利用のあり方を研究・模索しています。

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