フリーウェア

フリーウェアとは

フリーウェア（freeware）は、ユーザーに対して無料で提供されるソフトウェアのことを指します。これには、一般的に「フリーソフト」「フリーソフトウェア」との呼称も含まれます。日本では、特に雑誌やCD-ROMの付録として配布されることが多く、ユーザーが手軽に利用できるソフトウェアとして親しまれています。フリーウェアは「無料で使用できる」という特徴を持ち、それに対してシェアウェア（有料の試用版）とは明確に区別されます。しかし、フリーウェアはその名の通り無料で使える一方で、ソースコードが公開されていない場合や利用に一定の制限が設けられていることもあります。

フリーウェアの歴史

フリーウェアという用語は、1980年代に登場しました。当初、通信プログラム「PC-Talk」を配布するために、Andrew Fluegelmanがこの言葉を造り出しました。彼は配布コストを抑えた新しい方法で自作プログラムを提供したいと考え、フリーウェアという用語を使用しました。ただし、彼の手法はアイデアによってシェアウェア的な側面も存在していました。日本では、1980年代後半からフリーウェアという言葉が普及し、さまざまなオンラインソフトを示すために使われるようになりました。特に、PC-VANやアスキーネットなどのサービスでは、フリーウェアやシェアウェアをまとめて提供するコーナーが設けられ、PDS（パブリックドメインソフトウェア）として紹介されていました。

日本でのフリーウェアの状況

日本においては、フリーウェアは初期のパソコン通信の時代から活発に利用されてきました。特に、雑誌や専門書などに掲載される形式が多く、その際に「フリーソフト」や「フリーソフトウェア」と呼ばれることが一般的になりました。ただし、当初は商標の問題からフリーウェアという名称はあまり使われず、他の名称が代わりに使用される傾向がありました。特に写本やCD-ROMに収録された場合には商標上の理由から、フリーソフトやフリーソフトウェア呼ばれることが多かったのです。これによって、日本独自のフリーソフト文化が形成されていきました。

特徴と利点

フリーウェアには、市販ソフトウェアとは異なる多くの利点があります。たとえば、現在ではアーカイバのLHAやCADソフトのJw_cadなど、市販ソフトに引けを取らないクオリティのソフトウェアも多く存在します。特にJw_cadは数十万円する市販ソフトと比べても操作性やサポート面において優れた点が多く、高い人気を誇ります。ただし、フリーウェアは開発者が小規模であるため、セキュリティやバグ修正が不十分であることもあるため、常に注意が必要です。

セキュリティ上の懸念

フリーウェアはしばしば開発が小規模なため、セキュリティの問題が発生することがあります。特に、開発者がソフトウェアの更新を停止したり、脆弱性が発見されても修正されないまま放置されている場合があります。具体的には、libpngやzlibのように複数のフリーウェアで問題が発生した事例があります。また、著名なフリーウェア配布サイトではセキュリティの検査が行われていないことも多く、ウイルス感染のリスクも考慮しなければなりません。

フリーウェアに関連する類似概念

フリーウェアには似たような形式のソフトウェアも多く存在します。シェアウェアは試用期間があり、その後で支払いを必要とするものです。ドネーションウェアは使用者に寄付を要求することがあり、ポストカードウェアやメールウェアなども存在します。また、企業によって開発されたフリーウェアもありますが、これらは販促を目的としたり、広告を表示させることが求められる場合もあるため、十分に注意が必要です。

まとめ

フリーウェアは、その手軽さや多様性によって多くのユーザーに親しまれている一方、セキュリティやアップデートの問題も抱えています。利用する際はリスクを理解し、信頼できるサイトからダウンロードすることが重要です。また、フリーウェアの利用が促進する中で、その名称や意味に対する理解も進めていくことが求められています。

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