プリティガール

「プリティガール〜Pretty Girls〜」は、2002年1月9日から同年3月6日にかけて、TBS系列の水曜劇場にて放送された日本のテレビドラマシリーズです。

概要

本作は、由緒ある名門デパート「アンドリューズ」を主な舞台としています。物語の中心となるのは、女優の稲森いずみが演じる主人公・野山花（のやま はな）という、どこか捉えどころのない不思議な魅力を持つ女性です。彼女がデパートという組織、そしてそこで働く人々との関わりの中で、周囲に様々な影響を与え、変化をもたらしていく様が描かれます。

ドラマ内で、主人公の花が折に触れて口にする言葉があり、また、主題歌のタイトルにも採用されている「シャンティ」は、ヒンディー語で「平和」「平穏」「静寂」といった意味を持つ言葉です。この言葉が、物語のテーマや主人公の生き方を示唆する重要な要素となっています。

あらすじ

物語は、前向きな姿勢で人生を切り開いていく一人の女性が、伝統あるデパートとそこで働く多様な人々を変えていく姿を、ユーモラスなタッチで紡ぎ出します。主人公の野山花は、ある日突然、恋人に行方をくらまされてしまい、彼が残した多額の借金を背負うことになります。借金取りに追われ、住んでいたアパートにも帰れなくなった花は、働いていたカラオケ店で倒れてしまいます。

翌日、路肩で子犬が危険に晒されているのを見かけた花は、思わず道路に飛び出します。間一髪のところで、偶然通りかかった男性・高嶺遼（たかみね りょう）に助けられます。遼が立ち去った方向には、かの名門デパート「アンドリューズ」がありました。花は、予期せぬ偶然から、デパートの人事部長である伊能秀子（いのう ひでこ）にアルバイトとして働くことを勧められ、アンドリューズの食品売り場で倉井歩美（くらい あゆみ）と共に働くことになります。

新たな環境に飛び込んだ花は、持ち前の明るさと真っ直ぐさで、デパートの従業員たちの閉ざされた心や組織の硬直した雰囲気に少しずつ変化を与えていきます。

主要キャスト

物語を彩る個性豊かな登場人物たちには、実力派の俳優陣が配されました。

野山花（29） - 稲森いずみ: 突然の失恋と借金に苦しむも、天真爛漫な魅力でアンドリューズの人々に影響を与えていく主人公。
倉井歩美（26） - 米倉涼子: 花と同じ食品売り場で働くOL。恋愛には不器用な自分を変えたいと願っており、花との出会いを経て次第に成長していく。
荒木理恵子（22） - 片瀬那奈: アンドリューズの受付嬢で、その美貌で注目を集めます。仕事よりも恋愛を重視するタイプ。
高嶺遼（32） - 田辺誠一: アンドリューズ社長の息子であり、現在は専務として経営を任されています。仕事においてはクールで近寄りがたい存在と見られていますが、花との出会いを機に惹かれていきます。
古武家太郎（23） - 吉沢悠: 本社スタッフ。心優しい性格ですが、女性からは報われないことが多い。歩美にひそかに思いを寄せています。
黒岩教雄（36） - 渡辺いっけい: 花をデパートから追い出そうと様々な妨害を試みますが、花の存在がデパート全体に良い変化をもたらすのを目の当たりにし、次第に認めざるを得なくなります。
岡林沙智 - 長谷川京子: 理恵子の友人で、共に合コンなどにも参加します。花のことは認める一方、自身の人気が陰ることを恐れ、複雑な関係を築きます。
神田川一郎 - 羽場裕一: 社長の遼太郎や専務の遼からの信頼が厚い人物。しかし、裏では黒岩の策略に加担しており、自身の行いに葛藤を抱えています。
伊能秀子（42） - 片平なぎさ: 人事部長。花の持つ才能を見抜き、アンドリューズに招き入れた人物。当初は単なるアルバイトとして見ていましたが、花の働きぶりを通して彼女に惹かれていきます。
高嶺遼太郎（70） - 宇津井健: アンドリューズの社長で遼の父。かつては有能でしたが、体調を崩しています。息子との関係に問題を抱えていましたが、花との出会いがその関係修復のきっかけとなります。

スタッフ

脚本：青柳祐美子
プロデューサー：鈴木聡
演出：吉田秋生、日名子雅彦、岡島明
制作プロダクション：ケイファクトリー
製作：TBS

主題歌

島谷ひとみ「シャンティ」（avex trax）

その他

ロケは、小田原にあったロビンソン百貨店で行われました。

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