プロテリアル

株式会社プロテリアルについて

株式会社プロテリアル（英: Proterial, Ltd.）は、日本の鉄鋼メーカーで、特に電気炉を使用した製品の製造に特化しています。2023年1月に日立金属株式会社から社名を変更し、新たな歩みを始めました。

会社の概要

1956年に日立製作所から全額出資を受けて設立された株式会社プロテリアルは、日立グループの一員として鉄鋼業や金属部門を担ってきました。2013年には日立電線を吸収合併し、日立グループ内での規模をさらに拡大させました。

主な製品には、刃物や金型に使用される高級工具鋼（YSSやすきはがね）や、電子機器向けのインバー合金など、多様な金属製品があります。また、高級自動車部品や磁性材料、電子部品も手掛けており、特殊鋼やエコ製品を中心にした総合素材メーカーとしての地位を確立しています。現在、売上高で鉄鋼メーカー第4位に位置し、高性能鉄鋼材料に特化しています。

会社の歴史

プロテリアルの歴史は、1899年に遡ります。安来工場の前身である雲伯鉄鋼合資会社が設立され、1910年には戸畑鋳物株式会社が創業し、その後日立金属の基盤が築かれました。戦後も成長を続け、1956年には日立金属工業株式会社として独立しました。1987年から2004年にかけては国際的な展開を加速し、アメリカやヨーロッパに拠点を設立するなど、グローバルな企業へと成長しました。

2021年4月には親会社の日立製作所が全株式をベインキャピタルを中心とする日米ファンド連合に売却することを発表し、2023年の社名変更に至りました。

特徴と技術

株式会社プロテリアルは、多様な分野での製品を展開しています。インフラや自動車、エレクトロニクス、IT、半導体、環境エネルギーなど幅広い市場に対応する特性がありますが、コア技術としては鉄系合金の製造技術とトライボロジー材料に特化しています。加えて、高級特殊鋼の分野における合金設計の精度の高さが特に評価されています。

メセナと社会貢献

同社は、日本美術刀剣保存協会の活動を支援するなど、文化的な価値の保存にも貢献しています。玉鋼の製造法であるたたら吹きの支援は、伝統的な技術の保護と普及を目指すものです。

製品ブランドと市場展開

プロテリアルが展開する製品ブランドには、SLD-MAGIC（高性能冷間ダイス鋼）、DACシリーズ（アイソトロピィ熱間ダイス鋼）、YXRシリーズ（マトリックスハイス）などがあります。これらの製品は、さまざまな業界で高い評価を受けており、国内外で広く使用されています。

また、会社は研究開発に注力し、先進的な製造技術を取り入れた製品開発を行っています。特に、素材研究所や冶金研究所等を通じて新素材や技術革新に取り組む姿勢が、企業の競争力を高めています。

財務と社会的責任

2020年には、品質管理に関する不祥事が発覚し、長年にわたり不正が続いていたことが明らかになりました。このような問題に対処するため、外部専門家による特別調査委員会が設置され、さらなる透明性と信頼性の向上を目指しています。

結論

株式会社プロテリアルは、長い歴史を持つ日本の鉄鋼業界で、新たな変革の時を迎えています。特殊鋼を始めとする多様な製品と先進的な技術力を活かし、企業価値を高めながら、社会貢献にも力を入れる姿勢が今後の成長と持続可能性につながることでしょう。

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