ボニファシオ

コルシカ島の要塞都市、ボニファシオ

ボニファシオは、フランス領コルシカ島の南端に位置する都市で、サルデーニャ島との間のボニファシオ海峡に面しています。その地理的な重要性から、古くから戦略的な拠点として機能し、独自の歴史と文化を育んできました。

地理的特徴

ボニファシオは、地中海に面したコルシカ島南岸唯一の主要港であり、ボニファシオ海峡を挟んでサルデーニャ島と向かい合う好位置にあります。沖合にはラヴェッジ諸島が浮かび、その景観は非常に美しいです。

特に目を引くのは、白亜の石灰岩の崖が続く海岸線です。波の浸食によって形成された断崖絶壁は、ボニファシオの象徴的な景観を作り出しています。旧市街はこの崖の上に位置し、地中海を見下ろす要塞都市としての役割を果たしてきました。

ボニファシオ港は、フィヨルドのような形状の湾に位置し、外海から隔てられています。この湾は、かつて氷河によって削られた谷が海面の上昇によって水没したもので、天然の良港として利用されてきました。

歴史

ボニファシオの歴史は古く、先史時代から人が居住していました。アラギナ＝センノラの洞窟からは、紀元前6570年頃の女性の埋葬跡が発見されており、この地における人類の活動の痕跡を物語っています。

ローマ時代には、コルシカ島南端部の拠点として機能していたと考えられています。プトレマイオスの地図には、この地が「マリアヌム」として記載されています。

現在のボニファシオ市街の原型は、9世紀にトスカーナ辺境伯ボニファーチョ2世によって築かれた要塞に遡ります。彼はサラセン人の侵攻を防ぐため、この地に堅固な要塞を築き、海軍基地を設置しました。

その後、ボニファシオはジェノヴァ共和国やピサ共和国の支配下に入り、その領有をめぐって争いが繰り返されました。16世紀には、黒死病の大流行によって人口が激減するという悲劇も経験しています。

18世紀には、コルシカ独立戦争の舞台となり、フランス軍による占領を受けました。1789年には、フランス革命によってコミューンとして再編され、現在に至ります。

観光名所

ボニファシオは、その美しい景観と豊かな歴史から、多くの観光客を魅了しています。特に人気のある観光スポットは以下の通りです。

アラゴン王の階段: 1420年のボニファシオ包囲戦の際に、アラゴン王アルフォンソ5世が掘らせたという伝説が残る階段。崖に刻まれた急な階段を下りると、海にアクセスできます。
グラン・ド・サーブル: ボニファシオ近郊にある美しい砂浜。海水浴や日光浴を楽しむことができます。
マドネッタ灯台: ボニファシオの沖合に浮かぶ小島に建つ灯台。周辺の海域を見渡せる絶景スポットです。

アクセス

ボニファシオへのアクセスは、主に以下の方法があります。

飛行機: フィガリ国際空港から車またはタクシーで約30分。
* フェリー: サルデーニャ島からボニファシオへフェリーが運航しています。

まとめ

ボニファシオは、その独特な地形と歴史的背景から、多くの魅力を秘めた都市です。切り立った崖の上に築かれた旧市街、美しい海岸線、そして豊かな歴史遺産は、訪れる人々を魅了し続けています。コルシカ島を訪れる際には、ぜひボニファシオに足を運んでみてください。

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