ユミコア

ユミコア：非鉄金属のグローバルリーダー

ユミコア（Umicore S.A.）は、ベルギー・ブリュッセルに本社を置く、貴金属やレアメタルなどの非鉄金属の精錬、加工、リサイクルを専門とする大手企業です。世界20カ国以上に拠点を展開し、その歴史は1805年、Jean Donyによるベルギーとドイツの国境地帯における亜鉛鉱山の操業権取得まで遡ります。

発展の歴史

当初は亜鉛鉱山の採掘事業からスタートしましたが、1837年にはSociete Anonyme des Mines et Founderies de Zinc de la Vielle-Montagneとして正式に設立されました。その後、1906年には社名をユニオン・ミニエール・デュ・オー・カタンガ（Union Minière du Haut Katanga, UMHK）に変更し、ベルギー領コンゴでの銅やコバルトを中心とする鉱山事業を拡大しました。しかし、コンゴ民主共和国の独立後、同国政府によるUMHK資産の国有化により、1968年にコンゴでの事業は終了しました。

コンゴでの事業終了後、ユミコアは持株会社ソシエテ・ジェネラル・デ・ベルギー傘下で事業転換を進め、鉱山開発会社から金属精錬・加工などの下流部門を扱う企業へと進化を遂げました。1989年には、Metallurgie Hoboken-Overpelt、Vieille-Montagne、Mechimとの合併を経て、現在の組織の基礎が築かれました。1990年代後半には事業の選択と集中を進め、2001年8月には現在の社名「ユミコア」に変更されました。

事業の拡大と強化

2003年には、アメリカの金属メーカーOMグループから元デグサ傘下のPrecious Metals Group (PMG)を買収し、自動車用触媒事業を強化しました。自動車用触媒事業の研究開発・販売を目的とした合弁企業Umicore Shokubai S.A.（ユミコアの60％、日本触媒の40％出資）を2012年にルクセンブルクに設立するなど、積極的に事業拡大を図っています。また、2015年には、燃料電池や水電解装置部材に関するソルベーとの合弁事業SolviCoreを東レに売却しました。

現在、ユミコアの売上高の約半分を欧州が占めていますが、日本を含むアジア太平洋地域からの売上高も3割近くに成長しており、そのグローバルな事業展開はますます拡大しています。グループ・[[ブリュッセル・ランバート]]が株式の15％を保有しています。

日本における展開

日本においては、1991年から触媒生産を開始しており、2007年3月には「ユミコアマ－ケティングサ－ビスジャパン株式会社」と「ユミコアプレシャスメタルズ・ジャパン株式会社」が合併して「ユミコアジャパン株式会社」が設立されました。東京（アーク森ビル）にオフィスを構え、茨城県阿見町と神戸市に工場を有しています。

さらに、Umicore Shokubai S.A.の日本法人である「ユミコア日本触媒株式会社」は、愛知県常滑市に本社、東京に事務所を置いています。ユミコアは、歴史と革新性を融合させ、持続可能な社会の実現に貢献する企業として、今後もグローバルに活躍していくことが期待されています。

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