ランボルギーニ・ディアブロ

ディアブロ：ランボルギーニの悪魔

ディアブロ（Diablo）は、1990年から2001年までイタリアの自動車メーカー、ランボルギーニによって製造されたスーパーカーです。この車は、世界的に人気を誇ったカウンタックの後継車両として登場しました。なお、ディアブロという名称はスペイン語で「悪魔」を意味し、伝説の闘牛の名前に由来しています。

外観デザインと工夫

ディアブロの外装は、著名なデザイナー・マルチェロ・ガンディーニによるP132プロトタイプを基本としていますが、当時の親会社であるクライスラーのデザイナーによって、安全性や空気力学を考慮した角の丸みが加えられました。このため、ガンディーニの設計がどの程度残されているかについて社内で議論が生じましたが、最終的には両者で合意されました。ドアはカウンタックと同様のシザードアを採用しているものの、その開き方には違いがあり、フロントフェンダーを沈めることなく開く設計となっています。

ホイールベースは2,650mmで、カウンタックの最終モデルと比較して約150mm延長されており、居住性が改善されています。フレームはカウンタックと同様のマルチチューブラーフレームを機にしており、断面が丸から角に変更されました。リアサスペンションの開発には時間を要し、テストドライバーのサンドロ・ムナーリが協力しました。

灯火装置の変遷

初めのディアブロにはリトラクタブル・ヘッドライトが装備されていましたが、何回かの法改正の影響で1999年の改良時に固定式ヘッドライトに変更されました。このヘッドライトは、日産のフェアレディZのユニットを使っており、もともとは日本のチューニングファンが施した改造からランボルギーニが着想を得て採用したものです。ヘッドライトに刻まれた「NISSAN」のロゴは装飾モールに隠されています。

メーターパネルの改良

初期型では高くそびえ立つメーターパネルが問題視され、前方の視界を遮る原因となっていました。これを受けて1993年のマイナーチェンジにおいて、メーターの配置とサイズが見直され、パネルも低く設定されました。

エンジンとパフォーマンス

ディアブロの搭載エンジンは、最初は5,709ccのV型12気筒エンジンでしたが、アウディ傘下となった後には5,992ccに拡大されました。エンジンはミッドシップとして縦置きに配置され、通常とは異なり、出力軸が前方に向けて接続されています。この配置により、動力は後方へと折り返され、効率的なドライブが可能となっています。ディアブロは厳しい経営環境の中、唯一の市販車種として会社を支える重要な役割を果たしました。

ディアブロのモデルとバリエーション

ディアブロには、さまざまなモデルとバリエーションが存在します。1990年から2000年までのRWDモデルの他、4WDのVTモデル、オープンモデルのVTロードスターも展開されました。特に、1993年から1995年に販売されたSE30は30周年を記念した特別版で、当初150台限定とされながらも197台が出荷されました。

また、2000年には北米市場に向けた特別モデル「ミレニアム・ロードスター」が発表され、専用カラーが設定されました。ディアブロの最後のモデルである6.0は2001年に発表され、アウディによるフェイスリフトを経て販売されました。

まとめ

ディアブロは、そのスタイルとスペック、特異な歴史を持つアイコニックなスーパーカーです。デザインや技術面は時代を反映して進化し、円熟の域に達したランボルギーニの象徴とも言える存在です。

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