リアルバウト餓狼伝説

リアルバウト餓狼伝説シリーズ：進化した餓狼伝説の世界

1995年、SNKは『餓狼伝説』シリーズ第5作目となる『リアルバウト餓狼伝説』をリリースしました。この作品は、シリーズに新たな風を吹き込み、後の「リアルバウト」シリーズの礎を築いた重要なタイトルです。本稿では、『リアルバウト餓狼伝説』とその続編を包括的に解説します。

システムと革新性

『リアルバウト餓狼伝説』の基本システムは前作『餓狼伝説3』をベースにしながらも、操作性の簡略化と新要素の追加によって大きな進化を遂げました。パンチとキックの強弱攻撃を3ボタンに統合し、残りのボタンをライン移動に割り当てることで、より直感的な操作を実現。

さらに、コンボ技は「コンビネーションアタック」に改称され、シンプルながらも全キャラクターに共通した操作方法が採用されました。体力ゲージは2本になり、新たにパワーゲージが導入されました。パワーゲージが満タン、または体力ゲージが1本になって点滅している状態では、超必殺技や潜在能力を使用可能になります。また、パワーゲージを消費することでガードキャンセルも可能になり、戦術の幅が大きく広がりました。

ステージはビーチや地下鉄駅など5種類が用意され、時間帯も朝・昼・夜と変化に富んでいます。そして、シリーズにおける大きな特徴として、画面端の障害物が攻撃によって破壊され、そこから落下するとリングアウト負けになるシステムが導入されました。

ジャンプ速度の向上、ジャンプ攻撃後の硬直時間の増加、空中での向き変更、投げ技入力方法の変更など、『餓狼伝説スペシャル』に近い操作感を取り入れるなど、多くの変更点がゲーム性に影響を与えています。ラウンド表示も従来の「ROUND（数字）FIGHT」に戻されました。

各作品の詳細

リアルバウト餓狼伝説 (1995)

キャッチコピーは「さらば、ギース」。前作で問題視されたテリーの永久連続技を解消し、操作性を改善した本作は、ギース・ハワードとの最終決戦を描いたストーリーが大きな魅力です。MVS版から始まり、ネオジオ、ネオジオCD、セガサターン、PlayStationなど様々なプラットフォームに移植され、長く愛されています。

リアルバウト餓狼伝説スペシャル (1997)

キャッチコピーは「最高の舞台が待っている」。前作をベースに、ライン数が2つに変更され、ガードシステムが改善されました。リングアウトシステムは廃止され、画面端のオブジェクト破壊による気絶に変更。キャラクターごとのステージが復活し、EXキャラクターも追加されています。

熱闘リアルバウト餓狼伝説スペシャル (1998)

ゲームボーイ版として登場したアレンジ作品。KOFシリーズの八神庵がゲストキャラクターとして登場しています。

リアルバウト餓狼伝説スペシャル DOMINATED MIND (1998)

PlayStation版のアレンジ作品。新キャラクター、アルフレッドを主人公としたオリジナルストーリーが展開されます。独自のシステムであるファイナルインパクトやクイックアプローチも追加されています。豪華な初回限定版には、シリーズ全作のキャラクターデータベースなどが収録されたディスクが同梱されていました。

リアルバウト餓狼伝説2 THE NEWCOMERS (1998)

キャッチコピーは「闘いが俺を強くする。」/「熱くなければ対戦（バトル）じゃない。」。対戦スピードの高速化、一部技コマンドの変更、1ライン制と2ライン制ステージの採用など、様々な変更が加えられています。新キャラクターとして李香緋とリックが登場し、隠しボスとして『RBSDM』のアルフレッドが先行登場します。

餓狼伝説 FIRST CONTACT (1999)

ネオジオポケット用作品。リアルバウトの名称は付いていませんが、『RB2』をベースに、デフォルメされたキャラクターと簡略化された操作で、手軽に楽しめる作品です。

餓狼伝説 バトルアーカイブズ2 (2007)

PlayStation 2用ソフト。「NEOGEO オンラインコレクション」の一環として、『RB』『RBS』『RB2』の3作品が収録されています。

登場キャラクター

シリーズを通して、テリー・ボガード、アンディ・ボガード、ジョー・ヒガシ、不知火舞、ギース・ハワードといったお馴染みのキャラクターに加え、各作品で新キャラクターが登場し、シリーズの幅を広げています。それぞれのキャラクターには個別のストーリーと技が用意されており、プレイヤーの選択肢を広げています。

まとめ

『リアルバウト餓狼伝説』シリーズは、シンプルながらも奥深いゲーム性と魅力的なキャラクター、そして重厚なストーリーで多くのプレイヤーを魅了しました。SNK格闘ゲーム史において重要な位置を占めるシリーズとして、今後も語り継がれていくでしょう。

もう一度検索