リック・ドム

リック・ドム (RICK DOM)

リック・ドムは、1979年に放送された「機動戦士ガンダム」シリーズに登場するジオン公国の宇宙用モビルスーツ（MS）です。これは、ジオン軍の陸戦用モビルスーツであるドムを宇宙で運用するために改良したモデルで、「リック」という名前は「宇宙用」を意味しています。本機は、アニメでも特にシャア・アズナブルの搭乗機として注目されており、彼のライバルであるアムロ・レイとの戦闘が繰り広げられました。

設定について

リック・ドムは、ジオン軍が戦闘における戦力不足を補うために急遽開発された機体です。特に、一週間戦争やルウム戦役でのザクの喪失が強く影響し、宇宙軍の強化が急務となりました。そのため、完成したばかりのドムを2か月で改修し、安定した生産性を確保したのです。

この機体は、RX-78ガンダムに対抗するための次期主力MSのひとつとして認識され、ビーム兵器の搭載が要望されました。最終的には、リック・ドムがその対応策として採用され、多くのパイロットに利用されました。外見はドムと大きな違いはなく、脚部や腰部のバーニアが強化された形となっています。

機体構造

リック・ドムの腕部は基本的にドムと同じ構造ですが、防塵機構を省略してプロペラントタンクを配置している点が特徴です。脚部はインテーク機構が不要となり、プロペラントタンクへの変更が行われています。推進システムには熱核ロケットが採用され、推力が従来の4倍に達し、高加速能力を持っています。このような仕様のため、未熟なパイロットでも戦闘を続けられる設計になっています。

武装

リック・ドムの武装は基本的にドムと共通です。主要な兵装としてビーム・バズーカがあり、これは非常に強力な火力を持っています。ビーム・バズーカは、連邦軍のビーム兵器と比較しても優れた威力を誇り、特にシャア・アズナブルが搭乗する際には非常に効果的に用いられました。

劇中での活躍

リック・ドムはテレビアニメの中で、シャア・アズナブルの指揮する艦隊の一員として活躍しました。第31話から登場し、ホワイトベース隊との戦闘では数機が一斉に連邦軍を襲撃しました。しかし、アムロ・レイのガンダムには敵わず、多くが撃墜される結果となりました。特に第33話では、リック・ドムの小隊がホワイトベース隊に対し、多大な損失を被りました。

ア・バオア・クーの戦いでも多くのリック・ドムが参加し、連邦軍の攻撃を受ける中で奮闘しましたが、その活躍を持って戦局を一変させることはできませんでした。劇場版では、ジムとの戦闘シーンが追加描写され、リック・ドムの存在感がさらに強調されています。

別バリエーション機

リック・ドムはその後、多数の外伝や漫画、ゲームに登場し、個人用のカスタム機も多く存在します。ドズル・ザビ専用機やエギーユ・デラーズ専用機などはその代表例であり、それぞれの特性や塗装が異なることでファンに親しまれています。リック・ドムは、様々な作品を通じてジオン公国の象徴的なモビルスーツとして根強い人気を誇っています。

結論

リック・ドムは、ジオン軍の宇宙戦闘の要であると同時に、シャア・アズナブルのパートナーであり続けました。高い運動性と強力な武装を持つこの機体は、ガンダムシリーズにおいて重要な役割を果たしている存在であり、その魅力は今後も色褪せることはないでしょう。

もう一度検索