リーオー

リーオー (Leo)

リーオーは、1995年放送のテレビアニメ『新機動戦記ガンダムW』に登場するモビルスーツ (MS) です。作中世界「アフターコロニー (A.C.)」において、初めて実用化された汎用量産機であり、多くの国家や組織に普及しました。機体名は黄道十二星座のしし座 (レオ) に由来します。

機体解説

OZが開発した初の量産型MSで、原型はA.C.初の戦闘用MS「トールギス」です。トールギス開発者の失踪後、残された設計図を基に開発されました。開発担当はOZのセイス・クラーク技師。トールギスがパイロットを選ぶ機体だったのに対し、リーオーは一般兵でも操縦可能なように設計され、量産性と汎用性を重視しています。これは、安全性を無視したトールギスの設計と、OZとコロニー国家群との対立という背景から、生産性を優先し、敵を威嚇する役割が重視されたためです。

機体は小型化・簡略化され、背部や肩、太腿部にはオプション用アタッチメントが備えられています。これにより、装備換装による多様な戦場への対応が可能です。高い汎用性と操縦性から大量生産され、数十年にわたり運用されました。また、無人機モビルドール (MD) システムの実験機としても使用されています。イブ・ウォー後は軍縮の流れから軍事兵器としての利用は減り、人型重機として運用されています。

リーオーの性能は、他のMSの基準となりました。各性能数値を100とし、他の機体の性能を評価する「アビリティレベル」が設定されています。地上仕様のカラーリングは、地球圏統一連合・マリーメイア軍・OZトレーズ派がモスグリーン、OZ財団派が青色です。宇宙仕様は、地球圏統一連合・ホワイトファングが紫色、OZ・世界国家軍が地上仕様と同様に青色です。

武装・オプション装備

105mmライフル: 地上戦での主兵装。実弾火器で、銃口上に照準用レーダーがあります。装弾数は約100発超です。
ドーバーガン: 機体全高に匹敵する砲身長を持つ実弾砲。右肩に装着して使用します。ウイングガンダムの推進器を損傷させるほどの威力があります。
シールド: トールギスと同タイプで、左肩に装着します。裏面にはビームサーベル2本を収納します。
ビームサーベル: 接近戦用の斬撃武装。シールド裏に2本装備されています。
ノーマル型ビームライフル: 宇宙用のリーオー向け兵装ですが、大気圏内でも使用可能です。威力を重視し、銃身先端にレーダーを設置しています。
ショーティ型ビームライフル: ノーマル型を短くしたもので、取り回しを重視しています。片手での運用も可能です。
バズーカ: 榴弾や徹甲弾を発射する砲。反動が大きい装備です。
大型ビーム砲: 宇宙用の機体がシャトルを狙撃する際に使用する大型火器です。
宇宙用オプション: 背部アタッチメントに装着。円筒形のプロペラントタンクとバーニアで構成されます。
パラシュートパック: 空挺降下作戦で使用する地上用オプションです。
高機動オプション: ターボファンやブースターなどで構成。大気圏内での単独飛行や空中戦を可能にします。

劇中での活躍

リーオーは、テレビシリーズ、OVA、外伝など、ほぼ全ての作品に登場し、多くの主要人物が搭乗します。ゼクス・マーキスやトレーズ・クシュリナーダも初期にはリーオーに搭乗していました。MD (モビルドール) の登場後は性能差から苦戦を強いられますが、有人機の必要性を説くトレーズの象徴として、最終決戦では世界国家軍の主力機として活躍します。マリーメイア事変では、ヒイロとデュオがコロニー内部で奪取し、敵部隊に大打撃を与えます。

バリエーション

リーオー・アーリータイプ: 初期量産機。肩や膝関節周りのデザインが異なります。
リーオーキャノンタイプ: 肩部にキャノンを装備した機体。
MDシステム実験機: MDの試験用として登場した機体。トレーズのリーオーに一刀両断されます。
EWACリーオー: 漫画『G-UNIT』に登場する偵察用MS。頭部がレドーム状になっています。
レオス、レオール、レオン: OZプライズで運用されたリーオーのカスタム機。
Dユニット: 『G-UNIT』に登場する無人機。両腕がビームキャノンに換装されています。
ヴァルダー・ファーキル専用カスタムリーオー: ヴァルダーがOZプライズ合流以前に搭乗していた機体。
Gリーオー、Gリーオー02: 『G-UNIT』に登場する模擬戦仕様機。
リーオーII型［キマイラ］、リーオーIII型［キマイラ（新型）］、リーオーIV型［グライフ］: 『Endless Waltz 敗者たちの栄光』に登場するOZスペシャルズ専用機。

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