ル・シーニュ

ル・シーニュ

ル・シーニュ（Le Cygne）は、漫画『機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル』に登場するモビルスーツ（MS）で、エゥーゴに属するニュータイプ（NT）専用の試作機です。メカニックデザインは佐山善則によるもので、彼は「ガンダムらしさを許容できる範囲で除外する」という独自のデザインコンセプトを持ち、機体名の「ル・シーニュ」はフランス語で「はくちょう座」を意味します。

設定解説

ル・シーニュは、アナハイム・エレクトロニクスによって開発されたガンダムタイプのMSであり、宇宙世紀0087年にエゥーゴのニュータイプパイロット、アスナ・エルマリートのデータを基に、バイオセンサーが調整されて専用機として名を馳せました。この時代、戦乱の世に突入しており、グリプス戦役を背景にした設計思想が見受けられます。

この機体は、当時の主流である可変MSやモビルアーマー（MA）に逆行し、非変形の汎用機として意図的に設計されました。ル・シーニュは、軽量化と可動域の拡張に重点を置いており、運動性および機動性の向上が図られています。一方で装甲は最小限に抑えたため耐弾性では通常機に比べて劣りますが、すべてはアスナの技術を最大限に引き出すための設計です。

また、火力や出力、推力などのスペックは平凡に見えますが、効率的な運用がアスナの技量と相まって、真の実力を引き出します。制御系にはバイオセンサー（バージョン0）が導入され、彼女の過去のデータに基づいてパフォーマンスが最適化されています。

デザインと機能

ル・シーニュのショルダーアーマーは前方に張り出しているのが特徴で、これは作戦に応じた武装の換装を可能にします。主に装備されるのはビーム・サーベルやガトリング砲です。また、バックパックの着脱も容易で、多くのバリエーションを持っています。

武装・装備

ル・シーニュには多様な武器が用意されています。

• - ビーム・ライフル: 百式のBR-M-87と同系の武器。
• - ビーム・サーベル（ツイン・ビーム・トライデント）: 双刃スタイルの専用ビーム・サーベル。
• - 専用シールド: 除弾性を補うため、複数の機能を持ったシールド。
• - 肩部ガトリング砲: 必要に応じて装備を選択できる。
• - メガビームランチャー: アクシズのMSガザCのナックルバスターを参考にした高火力ビーム兵器。

ジェモ

ル・シーニュの量産仕様であるジェモも存在します。この機体は非NTの一般パイロット向けに少数が生産されました。ジェモは「ふたご座」を意味する「Gémeaux」を名に持ち、余剰パーツを使用して信頼性を重視した設計が特徴です。バイオセンサーも省略され、設計によって耐弾性が向上しました。

武装（ジェモ）

ジェモの武装は以下のとおりです。

• - ビーム・ライフル: ジムIIやネモと共通のもの。
• - ビーム・サーベル: ル・シーニュと共通の装備。
• - スモールシールド: 取り回しに優れ、主に近接戦用に使われます。

劇中での活躍

『機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル』では、エゥーゴのアイリッシュ級戦艦ツバイカウに数機配備され、また『機動戦士ガンダムΖΖ外伝 ジオンの幻陽』では、第一次ネオ・ジオン抗争時にカラバへ配置されていました。0088年の地球侵攻作戦では、北米ニューヤーク基地を防衛するために活用されています。

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