レガシーシステム

レガシーシステムとは

レガシーシステムとは、主にコンピュータ分野において、旧式となったシステムや技術を指す言葉です。これは、新しい技術やシステムに置き換えられるべきものを意味します。レガシーデバイスやレガシーOSといった言葉も、同様の概念を表します。

レガシーシステムの定義

「レガシー」という言葉は、英語で「遺産」や「資産」を意味します。レガシーシステムは、まだ機能はするものの、より新しい、より効率的な技術や手法が存在するにも関わらず使われ続けているシステムを指すことが一般的です。しかし、「レガシーシステム」という用語には明確な定義がなく、使用する人の立場や状況によってその意味合いが変わる相対的な言葉です。

レガシーシステムの変遷

1980年代のダウンサイジングの時代には、オープンシステムやクライアントサーバシステムが普及するにつれて、従来のメインフレームやオフィス[[コンピュータ]]、バッチ処理システムなどが「レガシーシステム」と呼ばれるようになりました。1990年代にインターネットやイントラネットが普及すると、クライアントサーバシステムもレガシーとみなされるようになりました。パーソナルコンピュータの世界では、MS-DOSのようなオペレーティング[[システム]]や、フロッピーディスクのようなストレージデバイスがレガシーと呼ばれるようになりました。

レガシーシステムの課題

レガシーシステムは、長年の使用実績があるという利点がある一方で、いくつかの大きな課題を抱えています。まず、システムのサポートが終了している場合や、開発・運用・保守に多くの制約があり、コストが増大するリスクがあります。そのため、より新しい技術やシステムへの移行（マイグレーション）が必要となる場合があります。

経済産業省が2018年に公表した「DXレポート」では、約8割の企業がレガシーシステムを抱えていると指摘されています。さらに、IT人材が不足する中で、レガシーシステムの保守・運用に多くのIT人材が割かれており、貴重な人材資源の浪費につながっていると警鐘を鳴らしています。

レガシーシステムからの脱却

これらの課題を解決するためには、企業はレガシーシステムからの脱却を図り、新しいシステムへの移行を検討する必要があります。しかし、レガシーシステムは長年使われてきたものであり、業務プロセスに深く組み込まれていることも少なくありません。そのため、移行には慎重な計画と実行が求められます。

まとめ

レガシーシステムは、過去の技術の遺産であると同時に、現代の企業が抱える課題でもあります。その定義は曖昧であり、時代と共に変化しますが、共通しているのは、より新しい技術への移行が必要であるという点です。企業は、レガシーシステムの課題を認識し、適切な対策を講じることで、競争力を維持し、持続的な成長を遂げる必要があります。


関連用語

レガシーマイグレーション
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