ロザーナ

TOTO - Rosanna

「ロザーナ」（Rosanna）は、アメリカのロックバンドTOTOが1982年に発表したアルバム『TOTO IV～聖なる剣』に収録された楽曲です。1983年にはグラミー賞最優秀レコード賞を受賞し、最優秀楽曲賞にもノミネートされました。この曲は、ビルボードのホット100で5週間連続2位、全英シングルチャートで12位を記録するなど、世界的なヒットとなりました。

楽曲解説

「ロザーナ」は、メンバーのデヴィッド・ペイチによって作詞作曲されました。当初、メンバーのスティーヴ・ポーカロと女優ロザンナ・アークエットの関係を歌ったものという説が広まりましたが、これは誤解です。ペイチは、単に楽曲のコーラスに合う女性の名前として「ロザーナ」を選んだと述べています。

楽曲は、Aメロをスティーヴ・ルカサー、Bメロをボビー・キンボールが歌唱しています。

チャート成績

「ロザーナ」は、各国の年間チャートでも上位にランクインしました。その人気と影響力の大きさが伺えます。

サンプリング

イギリスの音楽グループ、アート・オブ・ノイズは、「ロザーナ」の1秒をサンプリングした1983年のトラック「Beat Box (Diversion One)」を制作し、アルバム『誰がアート・オブ・ノイズを…』と『Daft』に収録しました。

ドラム・パターン

この楽曲の大きな特徴の一つが、ジェフ・ポーカロが演奏するドラム・パターンです。「ハーフタイム・シャッフル」（パーディ・シャッフル）と呼ばれるこのパターンは、ジャズの影響を受けており、ゴースト・ノートを多用しています。ジェフ・ポーカロ自身は、このパターンを「バーナード・パーディ・ハーフタイム・シャッフル」または「ジョン・ボーナム・ビート」（レッド・ツェッペリンの「フール・イン・ザ・レイン」でジョン・ボーナムが演奏しているため）と呼んでいました。非常に難易度の高いパターンであり、ジェフ・ポーカロの卓越した技術が光ります。

ミュージック・ビデオ

ミュージック・ビデオは、都会の夜景を背景に、赤いドレスをまとったダンサーのロザーナが印象的です。バンドは鎖状のフェンスの中で演奏しており、その様子が映像に深みを与えています。リード・ダンサーはシンシア・ローズが演じ、パトリック・スウェイジも男性ダンサーの一人として出演しています。二人は後に映画『ダーティ・ダンシング』で再共演し、人気を博しました。

「ロザーナ」は、TOTOの代表曲として、今もなお多くの人々に愛され続けています。

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