三昧

サマーディ（三昧）についての解説

サマーディ（Samadhi）は、仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教、シーク教など、インドに起源を持つ宗教の中で重要な概念であり、瞑想の深い状態を示しています。この言葉は、サンスクリット語で「samādhi」と書かれ、一般的には「深い精神集中」を意味します。また、音写として「三昧（さんまい）」とも呼ばれます。

語源

サマーディの語源は「組み合わせ」であり、そこから転じて「心を同じく持つ」状態を指すようになりました。この概念は、心が一つに結びつき、混乱から解放された状態を象徴しています。

意訳

サマーディは様々な漢訳名を持ち、次のような言葉で意訳されます：

• - 定: 心を一つの対象に固定し、動かないこと。
• - 正受: 正しく法を受け入れること。
• - 調直定: 心の乱れを調整し、心の集中を促すこと。
• - 正心行処: 心の動きを整え、法に従うための拠り所。
• - 息慮凝心: 煩悩を止め、心を一つに凝集させること。

仏教におけるサマーディ

仏教では、サマーディは八正道の一部である「正定」として位置付けられています。これは瞑想によって得られる精神的集中の状態を指し、他の八正道と組み合わせることで、悟りへと繋がる道となっています。

ヒンドゥー教における三昧

ヒンドゥー教のヨーガ学派経典『ヨーガ・スートラ』では、三昧は静粛な状態を表し、次のように分類されます：
1. 有想三昧: 明確な意識対象が存在する状態。
2. 無想三昧: 意識対象が消失し、活動だけが残る状態。
3. 有種子三昧: 心に対象が残っている状態。
4. 無種子三昧: すべての思考が停止した悟りの境地。

日常語としての使い方

「三昧」は他の名詞に付け加えて使用されることがあり、例えば「読書三昧」や「贅沢三昧」といった形で特定の事に没頭する状態を指します。また、平安時代から「三昧」という言葉は火葬場や死者の冥福を祈る場所を指す言葉としても使われてきました。これは根本的に、葬儀の際に念仏が唱えられることから発生したと考えられています。

まとめ

サマーディは、瞑想や静寂による心の混乱の解消、集中を通じての精神的な達成の過程を強調する重要な概念です。仏教とヒンドゥー教をはじめとする宗教的な背景の中で、三昧は心の平安や覚醒の状態に至るための道しるべとして、古くから重視されています。このため、サマーディの実践は現代においても多くの人々にとって心の安定をもたらす手段として継続されています。

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