三條正人

三條正人の略歴と音楽人生

三條正人（さんじょう まさと）は、1943年1月30日、滋賀県大津市に生まれました。本名を渡辺正好（わたなべ まさよし）とし、滋賀県立膳所高等学校を卒業後に法政大学に進学します。大学在学中に音楽への情熱が芽生え、コーラスグループを結成し、ダンスホールでのプロ歌手活動を開始しました。当初は「山下洋治とムーディスターズ」に所属していましたが、1967年に鶴岡雅義からの誘いを受け、「鶴岡雅義と東京ロマンチカ」のリードボーカルとして新たなスタートを切ります。

彼の第一歩として、1967年に「小樽のひとよ」でレコードデビューを果たし、この楽曲は大ヒットとなりました。1968年には「旅路のひとよ」で日本レコード大賞歌唱賞を受賞し、その名は瞬く間に広まり、NHK紅白歌合戦にも出場し始めます。特に、1968年から1973年までの6年間連続で紅白に出場し、歌手としての地位を確立しました。

個人的には、祭典後、1971年に女優の香山美子と出会い、1973年に結婚という形で私生活においても一つの転機を迎えます。彼らの結婚は多くのファンにとって愛されたエピソードとなり、共演することも少なくありませんでした。三條は1974年に東京ロマンチカを一時的に離れ、「さだめ」でソロデビューを果たしましたが、その後も何度か復帰し、活動を続けました。

1993年には歌手活動30周年を迎え、『愛のぬけがら』をリリースし、東京と大阪で記念リサイタルを開催しました。この節目は、彼の音楽人生の中で非常に重要な出来事と言えるでしょう。しかし、1999年には強盗事件に巻き込まれ、頭部に怪我を負うという大きな試練も経験しました。彼は見事に奪われた所持金を取り返すという勇敢な行動を見せ、これもまた彼のファンに感動を与えるエピソードとなりました。

再び東京ロマンチカに復帰した2003年には、グループの50周年記念祝宴も盛大に行われました。しかし、2016年頃から体調を壊しがちになり、入退院を繰り返す中でも、ステージには立ち続けました。2017年9月17日、群馬県富岡市でロス・インディオスの55周年記念コンサートにゲスト出演し、これが彼にとって最後のステージとなりました。

同年10月5日、東京都渋谷区の病院でマントル細胞リンパ腫のために亡くなった際、74歳でした。葬儀は東京都中野区の宝仙寺で行われ、彼の死は多くのファンに深い悲しみをもたらしました。

三條正人は日本の音楽シーンに多大な影響を与えた歌手であり、彼の魅力的な歌声と情熱的なパフォーマンスは、今もなお多くの人に記憶されています。彼の所属事務所はオフィス・ダァグで、レーベルはフリーボードレコードです。2018年1月24日には追悼CDが発売され、ファンの思いは今も生き続けています。

もう一度検索