宝仙寺

宝仙寺の概要

宝仙寺（ほうせんじ）は、東京都中野区中央二丁目に位置する真言宗豊山派の寺院で、中野区内でも特に広大な敷地を有しています。この寺院は千年近い長い歴史を誇る古刹であり、山号は「明王山」です。戦前の頃は中野町役場の所在地としても知られており、著名人の葬儀や告別式を執り行う場所としても名声があります。特に毎年行われる節分の僧兵行列は、多くの参拝者を惹きつける伝統行事です。

歴史

宝仙寺の創建は源義家にまで遡ります。『武州多摩郡中野明王山聖無動院宝仙寺縁起』によると、彼は後三年の役の際に護持していた不動明王像を安置するためにこの寺を建立しました。当初は杉並区の阿佐ヶ谷に位置していたものの、室町時代には現在の場所に移転しました。江戸時代には、この寺院から多くの優れた僧侶が輩出され、将軍からの保護を受けて発展を続けました。また、将軍家の鷹狩りの休憩所としても利用されていました。

1906年には中野町役場が境内に建設され、1932年の中野区発足当初から継続して利用されましたが、1936年に移転しました。第二次世界大戦中の1945年には戦禍に見舞われ、大伽藍が焼失しましたが、その後再建され、現在は三重塔や本堂が再び見ることができます。

施設と史跡

宝仙寺の中でも特に注目すべきは、江戸六塔の一つとして知られる三重塔です。寛永13年（1636年）に建立されましたが、1945年の空襲で焼失しました。1992年には法起寺の三重塔を模した飛鳥様式で再建され、塔内には胎蔵界五仏が安置されています。その他にも、中野町役場跡を記した石碑や、山門に立つ仁王像、そして当寺院の檀家総代であった堀江家の墓も見どころの一つです。堀江家は平安時代から中野を開拓した地主で、現在はその家系は断絶しています。また、享保13年に徳川吉宗の命で来日した象の骨も保存されていましたが、戦争の影響で一部が失われています。

アクセス

宝仙寺は、中野区中央2丁目33-3に位置しており、最寄り駅は丸ノ内線・大江戸線の中野坂上駅で、徒歩約5分です。また、都営バスの「宝仙寺前」停留所からも徒歩1分でアクセス可能です。拝観は日中のみ無料で行われており、最大60台の自動車が収容できる駐車場は、主に葬儀利用のために提供されています。

関連団体

この寺院は、学園としても運営されており、宝仙学園がその母体となっています。当学園では、こども教育宝仙大学や宝仙学園中学校・高等学校、宝仙学園小学校、宝仙学園幼稚園などが隣接して設立されています。宝仙寺は宗教的な役割だけでなく、教育の場としての役割も果たしています。

宝仙寺は、歴史的な背景や文化的な魅力を備えた寺院であり、地元住民や観光客に愛され続けています。

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