下通

下通（しもとおり）：熊本市の繁華街

下通は熊本県熊本市中央区にあり、広範囲なアーケード商店街から成る人気のある繁華街です。市の中心地区に位置しており、「下通」という名称は商店街の通りを指しますが、一般には「下通り」とも表記され、店舗名などでもよく見かけます。この商店街は「下通り商店街」とも呼ばれています。

アーケードの特徴

下通のメインアーケードは、全長511メートル、幅15メートル、高さ15メートルという九州では最大級の規模を有しています。古くからの商業エリアとして知られ、通町筋から続く新天街や、2番街、3番街、4番街を含む構成になっています。特に週末には多くの人々が訪れ、休日には約5万人もの人が通行する状況が確認されています（2018年10月の調査による）。さらに、下通商店街の全175店舗で楽天Edyが利用できるため、利便性も高いです。

繁華街としての魅力

上通と隣接しているため、熊本県内で最大の繁華街を形成しています。地元の名門百貨店、鶴屋百貨店が立地しており、熊本城や熊本桜町バスターミナル（SAKURAMACHI Kumamoto）からも近いため、観光スポットとしても人気があります。また、西銀座通り一帯には夜の歓楽街も広がっており、熊本駅からは路面電車やバスで簡単にアクセスできる点も魅力の一つです。

平日には約3万2千人、日曜には約5万人もの足が確認されており、周辺に学校が多いことも影響して、夕方になると多くの学生が行き交う姿が見られます。近年は郊外型のショッピングモールが増加し通行量に影響が出ていますが、2006年からはアーケードの北端にLED照明を設置し、商業施設の魅力を高める工夫が成されています。

環境の改善

さらには、アーケードの2番街から4番街には街路樹が植えられ、落ち着いた自然空間が演出されています。2009年にはアーケードの新しい屋根への改装作業が完了し、高さが約15メートルに引き上げられ、UV（紫外線）カット機能を持つ樹脂製パネルで覆われました。これにより、暑い夏の日々でも冷えた空気を提供する人工霧装置が導入され、訪れる人々に快適さを提供する工夫が図られています。

周辺通りの紹介

下通商店街周辺には、駕町通りや栄通りなど、多数の通りが存在します。駕町通りは下通の東側に位置し、アーケードが架かり、小規模な商業施設が並んでいます。栄通りは下通の西側を走り、飲食店が立ち並ぶ賑やかなエリアとして知られています。このほかにも名の知れた歓楽街が存在し、それぞれに異なる魅力を持っています。

歴史を振り返る

下通には多くの歴史が詰まっており、1960年にはキャバレーで火災が発生し、多くの人命が奪われました。その後、1973年には大洋デパート火災が起き、残念ながら多くの犠牲者が出ました。1973年以来、現在に至るまでアーケードも何度か改装され、2006年及び2009年には大規模な掛け替え工事が実施されました。2016年には熊本地震の影響で、多くの店舗が被害を受けましたが、その後も街は復興に向けて進んでいます。

客引き問題と対策

熊本地震以降、復興を目指す飲食店の活気に目を付け、福岡市や大阪市から来た客引きグループの出現が見られました。その結果、乱れた景観やトラブルが発生しました。そこで、2019年4月に「熊本市客引き行為等の禁止に関する条例」が施行され、違反の場合には罰則が設けられたことで整備が進みました。

このように下通は、歴史と活気ある商業エリアとしての顔を持ちつつ、快適な環境づくりや安全対策を進めています。街を散策する人々に、さまざまな体験を提供する場所として愛されています。

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