中判田駅

中判田駅：豊肥本線沿いの歴史と人情あふれる駅

大分県大分市大字中判田に位置する中判田駅は、九州旅客鉄道（JR九州）豊肥本線に属する地上駅です。古くからの歴史と、近年の発展が共存する地域の中核として、地域住民に親しまれています。

歴史の重み：判太郷から中判田駅へ

駅名の由来は、1875年（明治8年）に成立した中判田村に遡ります。さらに歴史を遡ると、承平年間（931～938年）に編纂された『和名抄』に「判太郷」という地名が登場します。その正確な位置は諸説ありますが、『豊後国志』や『箋釈豊後風土記』では現在の判田を、『豊後風土記新考』では中判田村が新たに命名されたものと推測されています。

大正3年（1914年）4月1日、鉄道院犬飼軽便線の終着駅として開業。その後、路線延伸や改称を経て、昭和3年（1928年）12月2日には豊肥本線の一駅となりました。昭和29年頃には、蒸気機関車が1日14本停車し、約3000人の利用者でにぎわった時代もありました。駅周辺には映画館や商店が立ち並び、活気に満ち溢れていた様子が伺えます。

その後、貨物・荷物扱いの廃止、無人化を経て、平成3年（1991年）にはプラットホームの嵩上げや上屋改築が行われました。平成24年（2012年）にはICカードSUGOCAの利用開始、平成26年（2014年）には開業100周年を迎えました。令和5年（2023年）7月1日からは、駅遠隔案内システム「ANSWER」の導入により、終日無人駅となりました。

駅の構造とアクセス

中判田駅は、島式ホーム1面2線を有する地上駅です。駅舎とホームは跨線橋で連絡されており、バリアフリー化も進められています。大分駅から当駅行きの列車は1時間に1本程度運行されています。ホームは線路のカーブに合わせてカーブしており、これは大野川の左岸を通る現在のルート変更によるものとされています。

駅舎は木造で、かつてはJR九州サービスサポートによる業務委託駅でしたが、現在は無人駅です。ICカードSUGOCAは利用可能ですが、無記名式のみの発売となっています。SUGOCAの利用範囲は、豊後竹田方面では肥後大津駅までは対象外ですが、熊本方面への利用は途中下車しない限り可能です。

利用状況と周辺環境

令和2年度の1日平均乗車人員は728人です。駅周辺は低層住宅が立ち並ぶ静かな住宅街です。国道10号の旧道沿いには、古くからの商店が残り、一方で現在の国道10号沿いには新しい商業施設が開発されています。さらに、丘陵地には住宅団地が開発され、人口増加が著しい地域です。

駅周辺には、大分県立大分南高等学校、大分市立判田中学校、大分市立判田小学校、大分市立判田幼稚園、やまばと幼稚園、大分市あかつき保育所、判田郵便局などの公共機関や教育機関、そしてひばりヶ丘・つつじヶ丘・判田台などの住宅団地があります。戸次川原古戦場跡などの歴史的史跡も存在します。

アクセス

国道10号
国道10号大分南バイパス

隣の駅

九州旅客鉄道（JR九州）豊肥本線
大分大学前駅 - 中判田駅 - 竹中駅

特急列車「九州横断特急」と「あそぼーい！」も停車します。

中判田駅は、歴史と現代が融合する、静かで落ち着いた雰囲気の駅です。地域の生活を支える重要な拠点として、今後もその役割を果たしていくことでしょう。

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