中桐望

中桐 望

中桐 望（なかぎり のぞみ）は、1987年に岡山県岡山市で生まれた、日本のクラシック音楽界を代表するピアニストの一人です。音楽との出会いは早く、3歳からピアノの学習を開始しました。

地元岡山での学びを経て、岡山県立岡山城東高等学校を卒業。その後、音楽の専門教育を受けるため東京藝術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻に進学しました。大学では優れた成績を収め、見事に首席で卒業。在学中からその才能は注目され、藝大モーニングコンサートや新卒業生紹介演奏会にて藝大フィルハーモニアとコンチェルトを共演するなど、積極的に演奏活動を行いました。学外でも、同声会新人演奏会やヤマハ音大フェスティバル2010、そして藝大アーツ・イン東京丸の内での「三菱地所賞」受賞記念リサイタルに出演するなど、着実にキャリアを積み重ねていきました。

2013年には、東京藝術大学大学院修士課程も首席で修了し、さらなる高みを目指しました。これまでに、岡山フィルハーモニック管弦楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、藝大フィルハーモニア、東京フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団といった日本の主要オーケストラのほか、ヴァレス交響楽団など海外のオーケストラとも共演し、協奏曲のソリストとして舞台に立っています。また、国内外各地でリサイタルを開催し、音楽祭にも参加。NHK-FMの番組『リサイタル・ノヴァ』への出演経験もあり、幅広い層の音楽ファンにその演奏を届けています。

国際的な活動も積極的に展開しており、2014年1月にはフランス・パリのサル・コルトーにてパリデビューを果たしました。同年4月には、出身地岡山のルネスホールのほか、名古屋の宗次ホール、東京の浜離宮朝日ホールという国内主要都市でデビューリサイタルを開催し、いずれも成功を収めました。2014年秋からは、公益財団法人ロームミュージックファンデーションの奨学生として、ポーランドのビドゴシチ音楽学校に留学し、研鑽を積みました。

これまでに師事した音楽家は数多く、ピアノの指導を内山優子氏、近藤邦彦氏、平川眞理氏、芦田田鶴子氏、大野眞嗣氏、角野裕氏、そして国際的に著名なエヴァ・ポブウォツカ氏から受けました。また、ピアノデュオを角野裕氏に、室内楽を岡山潔氏や伊藤恵氏から学び、幅広い音楽的視点を養いました。

中桐望のキャリアは、国内外での輝かしい受賞歴によって彩られています。

2006年：第17回吹田音楽コンクールのピアノソロ部門で第1位、同コンクールのピアノデュオ部門で最高位を獲得。
2009年：日本の権威あるコンクール、第78回日本音楽コンクールで第2位に入賞。
2010年までに、東京芸術大学よりアリアドネ・ムジカ賞、アカンサス音楽賞、安宅賞、大賀典雄賞、同声会賞、三菱地所賞など、多数の学内賞を受賞。
2010年：地元岡山での功績が称えられ、第11回岡山芸術文化賞グランプリを受賞。
2011年：ウィーンで開催された第3回ロザリオ・マルシアーノ国際ピアノ・コンクールにて第2位、併せてコンクール委嘱新曲課題曲最優秀演奏者Sonja Huber賞を受賞。
2012年：スペイン・バルセロナで行われた第58回マリア・カナルス・バルセロナ国際音楽演奏コンクールで第2位、同時に聴衆賞も獲得。また、日本の主要な国際ピアノコンクールである第8回浜松国際ピアノコンクールでも第2位に入賞し、世界的な舞台での実力を証明しました。
2013年：東京芸術大学より再びクロイツァー賞、大学院アカンサス賞、藝大クラヴィーア大賞といった名誉ある賞を受賞。
2013年：チェコで開催された第18回シューベルト国際ピアノデュオコンクールにて第1位、併せてシューベルト賞を受賞。ドイツのSchlitz ピアナーレ国際ピアノコンクールでも第1位に輝きました。
* 2015年：日本におけるショパン演奏の優れた功績を称える第42回 日本ショパン協会賞を受賞。

これらの受賞歴は、中桐望が持つ卓越した演奏技術、音楽表現の深さ、そして幅広いレパートリーへの対応力を明確に示しています。

録音活動としては、2015年にオクタヴィアレコードからアルバムをリリースしています。このアルバムには、ショパンとラフマニノフの作品が収録されており、彼女の音楽を聴くことができます。

東京藝術大学での輝かしい学歴、国内外での精力的な演奏活動、そして数々の国際コンクールでの実績を持つ中桐望は、クラシック音楽界において今後さらなる活躍が期待される、注目のピアニストです。

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