丸住製紙

丸住製紙株式会社：歴史と現状

丸住製紙株式会社は、愛媛県四国中央市川之江町に本社を構える日本の製紙企業です。丸紅グループの一員として、主に洋紙の製造・販売を手がけてきました。

事業概要

同社の主力事業は、新聞用紙や出版物、印刷物などに使用される洋紙の製造です。中でも新聞用紙は、年間17万トンを生産し、国内4位の生産量を誇ります。その他、パルプやペーパータオル、ウェットティッシュなどの衛生用紙、さらには発電事業も展開しています。

創業から成長

1919年、星川今太郎氏が手漉き和紙の生産から事業を開始。創業家である星川家が代々経営を担うオーナー企業です。星川知之社長は日本製紙連合会の常任理事も務め、業界内での存在感を示していました。

ピーク時の2008年には743億円の売上高を記録しましたが、デジタル化の進展に伴う新聞用紙需要の減少などを受け、2024年には420億円まで売上が減少。2022年11月期には約117億円の赤字を計上するに至りました。

事業再編と民事再生法申請

経営状況の悪化を受け、丸住製紙は2025年2月に洋紙の生産を終了することを発表しました。デジタル化による需要減少が主な理由です。そして、2025年2月28日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請。負債総額は約590億円にのぼります。

主要事業所

本社･川之江工場：愛媛県四国中央市川之江町826番地
大江工場：愛媛県四国中央市川之江町4085番地
営業本部（東京支社）：東京都中央区銀座5丁目13番16号 ヒューリック銀座イーストビル2F
大阪支店：大阪府大阪市北区中之島2丁目3番18号 中之島フェスティバルタワー19F
名古屋支店：愛知県名古屋市中村区名駅3丁目21番7号 名古屋三交ビル8F
九州支店：福岡県福岡市中央区渡辺通4丁目10番10号 紙与天神ビル5F

歴史

1919年：四国中央市で手漉き和紙工場として創業
1946年：丸井工場などと合併し丸井製紙株式会社となる
1946年：丸井製紙第二工場（金生）が丸住製紙株式会社として分離独立
1951年：三和パルプ金生工場を買収し丸住製紙第二工場とする
1951年：第一工場に新聞用紙生産設備を新設
1954年：丸井製紙の倒産工場を買収し丸住製紙川之江工場とする

その後、臨海部の大江工場を中心に設備投資を重ね、原料から製品までの一貫生産体制を確立しました。

沿革

1919年7月：星川今太郎が手漉和紙の製造開始
1946年2月：「丸住製紙株式会社」設立
1954年3月：丸井製紙株式会社を吸収合併、川之江工場として発足
1955年11月：本社を金生工場から川之江工場へ移転
1956年12月：川之江工場に抄紙機設置
1964年2月：川之江工場に抄紙機設置
1967年7月：川之江工場に抄紙機およびパルプ漂白設備完成
1967年11月：北米よりチップ専用船「丸住丸」初入港
1968年1月：川之江工場に連続KP製造設備一式完成
1970年3月：川之江工場に抄紙機およびRGP製造設備完成
1971年12月：川之江工場に総合排水処理設備完成
1972年6月：丸住ライン株式会社を設立
1972年10月：本社社屋完成
1973年4月：川之江工場に抄紙機およびRGP製造設備増設
1974年10月：株式会社丸住興産を設立
1978年3月：川之江工場にDIP製造設備完成
1978年9月：川之江工場にTMP製造設備完成
1979年12月：大江工場が完成、操業開始
1987年12月：金生工場の抄紙機が操業停止
1988年4月：大江工場の抄紙機、DIP製造設備、CTMP製造設備、自家発電設備増設
1990年2月：本社社屋完成
1990年7月：川之江工場に上質DIP設備完成
1991年11月：川之江工場に酸素漂白設備完成
1995年7月：丸紅と共同出資でニュージーランドに「マルスミワンガレイ株式会社」を設立
1996年4月：丸住テック株式会社を設立
1996年7月：川之江工場にボイラー完成
1998年2月：大江工場に抄紙機完成
2000年3月：大江工場にボイラー完成
2000年7月：大江工場にボイラー完成
2002年1月：大江工場に新DIP製造設備完成
2007年9月：大江工場に連続KP製造設備一式完成
2007年11月：丸住エンジニアリング株式会社を設立
2011年12月：売電事業開始
2014年3月：梅ノ木太陽光発電所が完成
2014年8月：東部太陽光発電所が完成
2015年4月：「しこくグリーンファーム」を設立し、農業分野に参入
2016年6月：大江工場、ボイラー完成
2018年3月：大江工場、土質改良材製造設備完成
2021年7月：大江工場にウェットティッシュ加工設備完成、CNF開発センター開設、CNFパイロットプラント完成
2021年10月：大江工場にペーパータオル加工設備完成
2022年4月：家庭向け衛生用紙ブランド「エミナス」の商品販売開始
2022年5月：大王製紙と技術提携の基本契約を締結
2023年2月：川之江工場、抄紙機操業停止
2023年4月：大江工場、抄紙機・加工設備完成
2025年2月：東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請

関連会社

丸住テック株式会社
丸住エンジニアリング株式会社
丸住ライン株式会社
マルスミワンガレイ株式会社
株式会社カミオー
トーヨデンサン株式会社

外部リンク

丸住製紙株式会社

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