京セラ前駅

京セラ前駅：滋賀県東近江市の企業立地を支える駅

滋賀県東近江市川合町に位置する京セラ前駅は、近江鉄道本線（水口・蒲生野線）の駅です。駅番号はOR28。1991年3月16日に開業したこの駅は、電子部品・電気機器メーカーである京セラの滋賀八日市工場従業員の通勤利便性を高める目的で設置されました。京セラが近江鉄道に要望を出したことが、この駅の誕生につながっています。京セラ滋賀蒲生工場（開設時は「京セラ滋賀工場」）は1963年5月、京セラ滋賀八日市工場は1980年8月にそれぞれ開設されており、その後の地域発展と駅の開業は密接に関連しています。

駅の構造と利用状況

京セラ前駅は、地上駅で単式ホーム1面1線というシンプルな構造です。無人駅として運営されており、駅員は配置されていません。近年の一日平均乗車人員は、東近江市の統計書を参照する必要がありますが、周辺の工場や倉庫への従業員の利用が中心となっています。

駅周辺の環境

駅周辺は、工場や運輸倉庫が主に立地しています。駅名の由来となった京セラの工場も駅東側に位置しています。駅舎のすぐ北側には名神高速道路が走り、駅前には民家はほとんどありません。近江鉄道本線（水口・蒲生野線）は、八日市方面へ向かうと、赤坂交差点から長谷野駅を経て、中野町地区まで滋賀県道13号彦根八日市甲西線とほぼ並走しています。この道路沿いに「京セラ前駅」停留所があり、バスやタクシーの路線が利用可能です。

アクセス方法

駅へのアクセスは、近江鉄道本線を利用するのが最も便利です。近江鉄道バスの八幡・長峰線（近江八幡駅南口～長峰集会所）も利用できます。また、タクシーも利用可能です。特に、ちょこっとタクシーの蒲生エリアでは、桜川駅と稲垂、長峰、鋳物師の各地区、石塔寺方面を巡回するエリアタクシー（要予約）が運行しており、地域住民の足として重要な役割を果たしています。

駅名による混乱

京セラ前駅は、駅名から大阪の京セラドーム大阪の最寄り駅と誤解されるケースがあります。実際には、両駅は直線距離で70キロメートル以上離れており、全く別の場所にあります。そのため、近江鉄道の主要駅では「京セラドーム大阪の最寄駅は京セラ前駅ではない」旨の注意書きが掲示されています。

テレビ番組でも、この駅名による混乱が取り上げられたことがあります。2016年に放送された番組では、嵐のコンサートに行くために「京セラ」と検索し、京セラ前駅を京セラドーム大阪の最寄り駅と勘違いした人が実際にいたことが紹介されました。これは、経路検索アプリなどにおける駅名表示の仕方が、誤解を招いた一因と考えられます。京セラドーム大阪の最寄り駅は、Osaka Metro長堀鶴見緑地線のドーム前千代崎駅や阪神なんば線のドーム前駅です。さらに、阪神電車のドーム前駅の隣駅が「桜川駅」であることも、当駅の隣駅である桜川駅と混同する原因の一つとなっています。

隣の駅

大学前駅
桜川駅

京セラ前駅は、近江鉄道本線の沿線地域における企業立地を支える重要な役割を担う駅であり、その歴史や利用状況、アクセス方法、そして駅名による混乱など、様々な側面から見ていくことで、より深い理解が得られます。

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