京急逗子線

逗子線：京浜急行電鉄の沿岸を走る路線

京浜急行電鉄の逗子線は、横浜市金沢区の金沢八景駅と逗子市の逗子・葉山駅を結ぶ、全長5.9kmの鉄道路線です。路線記号はKK。JR東日本横須賀線と同様に、品川駅や横浜駅から逗子・葉山駅へと至るアクセスを提供しており、特に葉山御用邸などの別荘地やマリンリゾートがある葉山町への観光客にとって重要な交通手段となっています。京急電鉄は、「葉山女子旅きっぷ」など、観光客向けの企画乗車券も販売しています。ただし、葉山町内には鉄道駅がないため、逗子・葉山駅からバスなどでアクセスする必要があります。

路線概要と運行形態

逗子線は全線[複線]]電化されており、自動閉塞式とC-ATSによる保安装置が導入されています。最高速度は100km/h。列車無線は誘導無線方式(IR)とデジタル空間波無線方式(デジタルSR)の併用です。軌間は標準軌]ですが、金沢八景駅と神武寺駅間の上り線は、[[総合車両製作所横浜事業所（旧・東急車輛製造横浜製作所）とJR逗子駅間の回送線を併設しているため、1435mmと1067mmの三線軌条区間となっています。

運行形態は特急、急行、普通列車の3種類です。特急は逗子線内各駅に停車し、平日は上り5本、下り4本、土休日は上下各1本運行されています。急行は、2010年5月16日に「エアポート急行」として運行開始され、2023年11月25日に改称されました。主に羽田空港方面と逗子・葉山駅を結ぶ列車で、逗子線内は各駅停車です。普通列車は金沢文庫駅・金沢八景駅～逗子・葉山駅間を中心に運行されていますが、品川、羽田空港、京急川崎、神奈川新町発着の列車も設定されています。

また、過去には快特、旧急行、臨時列車として「パシフィック号」「逗子号」、ハイキング特急などが運行されていました。快特は1999年まで運行され、金沢文庫駅で種別変更する多層建て列車でした。旧急行は1999年まで運行され、京急本線内での速達種別として機能していました。臨時列車は、海水浴シーズンやハイキングシーズンに運行されていました。

使用車両と歴史

逗子線では、京急1000形電車(2代)、京急600形電車(3代)、京急1500形電車、東京都交通局5500形電車などが使用されています。

1930年4月1日、湘南電気鉄道により金沢八景駅～湘南逗子駅間が開業したのが始まりです。その後、京浜電気鉄道、東京急行電鉄を経て、1948年6月1日、京浜急行電鉄の路線となりました。開業以来、駅名変更、駅新設・統合、複線化・単線化、直通運転開始など、幾度となく路線形態が変更され、現在の姿に落ち着いています。特に1985年の京浜逗子駅と逗子海岸駅の統合による新逗子駅（現・逗子・葉山駅）の開設は、大きな転換点となりました。2020年には新逗子駅が逗子・葉山駅に改称されました。

総合車両製作所横浜事業所との関連

逗子線は、総合車両製作所横浜事業所（旧・東急車輛製造横浜製作所）とJR横須賀線逗子駅を結ぶ重要な役割を担っています。同事業所で製造・改造された車両は、逗子線の三線軌条区間を経由してJR線へ、またはJR線から事業所へ回送されます。そのため、川崎車両で製造された京急車両が最初に走る京急の線路は、逗子線となります。車両輸送は主に終電後に行われますが、過去には日中に行われた時期もありました。

葉山町への延伸計画

逗子線には、葉山町への延伸計画がありました。逗子海岸駅も延伸を想定した配線でしたが、葉山層群という硬い地質のため、トンネル掘削が困難であることが判明し、計画は断念されました。

駅一覧

逗子線には、金沢八景駅、神武寺駅、六浦駅、逗子・葉山駅の4駅があります。全列車が全駅に停車します。六浦駅と神武寺駅の間は2.8kmと京急線内最長の駅間距離となっています。

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